東京オリンピックが2021年への延期が決定し、サッカー日本代表の選考も引き延ばしになりました。
オリンピックが開催されるたびに「オーバーエイジって誰になるの?」と話題になるのですが、東京オリンピックからサッカーを応援しようと思っている方にしたらオーバーエイジについてよく分からない人も多いことでしょう。
そこで本記事では、オリンピックのオーバーエイジ枠について、ルールや由来を紹介します。
オーバーエイジについて理解して、東京オリンピックのサッカー日本代表を応援しましょう。
- オリンピックのオーバーエイジについて知りたい人
- 東京オリンピックでサッカー日本代表を応援したい人
東京オリンピックのオーバーエイジ枠について

サッカー初心者の方にしたら「オーバーエイジって何?」「なんでサッカーだけ年齢制限があるの?」という感じですよね。
ここでは、オリンピックのオーバーエイジ枠についてルールや由来を紹介します。
オリンピック男子サッカーのオーバーエイジ枠とは?
オリンピックに出場する男子の代表チームは23歳以下の選手で構成しなければならないというルールがありますが、1996年のアトランタ大会からは、1チーム3人まで24歳以上の選手の出場枠を認める「オーバーエイジ枠」を採用しています。
オーバーエイジのルールは女子サッカーには無く、男子サッカーにしか存在しません。
なでしこジャパンのレジェンド『澤穂希』さんが、オリンピックに4大会出場できたのもこのためです。
また、オーバーエイジの使用は義務化されていないので、2名でも1名だけでもよく、登録メンバー全員が23歳以下でもOKです。
オリンピックの男子サッカーの出場資格は、『オリンピック開催年前年の12月31日時点で23歳未満』という規定があります。
簡単にいうとオリンピック開催年に23歳を迎える選手(23歳以下の選手)ということになります。
なので、オリンピックを闘う世代は『U-23代表』と呼ばれているのですね。
オーバーエイジ枠ができた由来は?
オーバーエイジというルールができた理由を簡単にいうと、プロ選手を出したくない『FIFA(国際サッカー連盟)』と、スター選手を出場させて興行収入をあげたい『IOC(国際オリンピック委員会)』が対立したことによる〝妥協案〟になります。
ワールドカップを主催するFIFAは、ワールドカップが世界一のサッカー国を決める唯一の大会にしたいので、プレミア感が薄まらないようにするため、IOCが主催するオリンピックは邪魔と考えていました。
しかし、IOC側は興行収入をあげるためにはブランド力が必要なので、アマチュアのみに参加資格が与えられていたが、プロ選手の参加を認めるしかなかったのです。
IOC側がプロ選手のオリンピック参加をFIFAに打診(当然どちらも譲らない)
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FIFAは、プロ選手の出場を認める代わりに『23歳以下』という年齢制限を設ける〝妥協案〟を提案(U-23ワールドカップに位置付けた)
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IOCが『若くて知名度に掛ける選手だけでは観客が入らない』という理由から年齢制限を取っ払うようにFIFAを説得
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FIFA側の新たな〝妥協案〟として『オーバーエイジ枠』が誕生
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その後も、FIFAはIOCに対して非協力的な姿勢を貫いている
このようにオーバーエイジ枠は〝妥協の産物〟として誕生したわけなのです。
しかし、オーバーエイジ枠はサッカーファンにとっては悪いことはほとんどないと言えるでしょう。
- スター選手を観れるチャンスが増える
- 選手選考やオーバーエイジわくの選手を考えるのが楽しい
- オーバーエイジの選手がどのようにチームにフィットするか見れる
若いチームにベテランが加わることで精神的支柱となりチーム力が高まる効果もあるし、オーバーエイジを上手く利用したチームが活躍することも多いです。
東京オリンピックもオーバーエイジ枠が注目ポイントとなることでしょう。
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オリンピックの歴代オーバーエイジ選手
ここでは、オリンピック男子サッカーの歴代オーバーエイジ選手を紹介します。
オーバーエイジ枠が誕生したアトランタオリンピックから振り返ってみましょう。
アトランタオリンピック
1996年のアトランタオリンピックの監督だった西野朗監督は、オーバーエイジ枠を使用せずに23歳以下の選手のみで戦いました。
ブラジルに勝利した『マイアミの奇跡』は、現代に語り継がれる日本サッカー界の歴史の1つですね。
【主なメンバー】
- 川口能活
- 服部年宏
- 前園真聖
- 伊藤輝悦
- 城障二
- 遠藤彰弘
- 松田直樹
- 中田英寿
ブラジルからは、『ベベット』『アウダイール』らがオーバーエイジで出場し銅メダルを獲得しています。
また、アルゼンチンからは、現在アトレティコ・マドリードを率いる『シメオネ』監督がオーバーエイジ枠として出場し銀メダル獲得に貢献しました。
シドニーオリンピック
2000年のシドニーオリンピックは、フィリップ・トルシエ監督が指揮しました。
オーバーエイジ枠として、GK『楢崎正剛』DF『森岡隆三』MF『三浦淳宏』が招集されました。
予選リーグ2位で決勝トーナメントに進出しましたが、準々決勝でアメリカに敗退しメダル獲得には至りませんでした。
【主なメンバー】
- 中澤佑二
- 松田直樹
- 宮本恒靖
- 稲本潤一
- 中田英寿
- 中田浩二
- 中村俊輔
- 柳沢敦
- 高原直奏
ガンバ大阪で活躍した『エムボマ』もオーバーエイジとして参加していました。
カメルーンの英雄『サミュエル・エトー』と共に、カメルーン史上初の金メダルを獲得しました。
アテネオリンピック
2004年のアテネオリンピックは山本昌邦監督が率いました。
オーバーエイジ枠として、GK『曽ヶ端準』MF『小野伸二』の2名が招集されました。
小野伸二の活躍も実らず、パラグアイ・イタリアに惜しくも敗れ、グループ予選で敗退してしまいました。
【主なメンバー】
- 闘莉王
- 阿部勇樹
- 今野泰幸
- 松井大輔
- 田中達也
- 石川直弘
- 大久保義人
- 平山相太
イタリア代表の『ピルロ』がオーバーエイジ枠として出場し、キエッリーニやデ・ロッシらと共に日本を下し、銅メダルを獲得しました。
北京オリンピック
2008年の北京オリンピックでは、反町康治監督が指揮をとりましたが、オーバーエイジ枠は使用しませんでした。
アメリカ・ナイジェリア・オランダ同グループだった日本は、3戦全敗という結果で予選リーグを敗退しました。
【主なメンバー】
- 西川周作
- 吉田麻也
- 森重真人
- 長友佑都
- 内田篤人
- 本田圭佑
- 岡崎慎司
- 香川真司
- 李忠成
- 豊田陽平
この大会にブラジルのオーバーエイジとして『ロナウジーニョ』も出場していました。
優勝したアルゼンチンのメンバーは『メッシ』『アグエロ』『ディ・マリア』らと、オーバーエイジで『マスチェラーノ』が出場しました。
ロンドンオリンピック
2012年のロンドンオリンピックでは関塚隆監督が指揮をとり、オーバーエイジ枠は、DF『F徳永悠平』『吉田麻也』をメンバーに入れました。
日本は初戦にスペインを倒す大躍進を見せ予選リーグを1位で突破し、メキシコ大会以来の準決勝進出を決めましたが、結果は惜しくも4位…メダルに1歩届きませんでした。
【主なメンバー】
- 権田修一
- 酒井宏樹
- 酒井高徳
- 山口蛍
- 清武弘嗣
- 宇佐美貴史
- 杉本健勇
- 永井謙佑
ブラジル代表では『チアゴ・シウヴァ』『フッキ』『マルセロ』が、ロンドンオリンピックに合わせて特別に結成されたイギリス代表では、当時38歳だった『ライアン・ギグス』が出場し話題になりました。
リオデジャネイロオリンピック
2016年のリオデジャネイロオリンピックでは手倉森誠監督がオーバーエイジ枠をフル活用しました。
DF『藤春廣輝』『塩谷司』FW『興梠慎三』が招集されましたが、ナイジェリア・コロンビアといい試合を繰り広げたものの、結果は予選リーグ敗退でした。
【主なメンバー】
- 中村航輔
- 植田直通
- 大島良太
- 中島翔哉
- 鈴木武蔵
- 南野拓実
- 浅野琢磨
- 井手口陽介
リオデジャネイロオリンピックは開催国のブラジル代表が優勝、当時24歳だった『ネイマール』がキャプテンとして参加し、自国に初の金メダルをもたらし涙を流しました。
まとめ:オーバーエイジはフィットすれば強い
- 男子サッカーの特別ルール
- 1チーム3名まで24歳以上の選手を登録可能
- FIFAとIOCの対立による〝妥協案〟
東京オリンピックを指揮する森保監督は「最強の日本代表をつくる」と明言していたので、オーバーエイジを何名招集し誰が選ばれるのか気になるところですよね。
いろんなメンバーを予想することができるので、サッカーファンにとっても楽しみな時間です。
東京オリンピック、サッカー日本代表を応援して盛り上げていきましょう。
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