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カラバオカップがいらないと言われる理由|廃止論の裏側と存続のメリットを解説!

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イングランドサッカー界で長年親しまれてきたリーグカップですが、最近では「カラバオカップはいらない」とか「廃止すべき」といった厳しい意見を目にすることが増えてきました。

  • 過密日程による選手の疲労
  • 怪我のリスク
  • 優勝賞金の低さ

など、様々な問題点が指摘されているのは事実です。

一方で、この大会が若手選手の登竜門になっていることや、下部リーグのクラブにとっては重要な収入源になっているという側面もあり、単純に不要だと切り捨てることはできません。

遠藤航選手のような日本人選手が活躍する舞台として、日本での放送や見る方法に関心を持っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、なぜこの大会が不要論の対象になっているのか、その背景にある事情を詳しく掘り下げていきます。

なぜカラバオカップはいらないと言われるのか

イングランドのサッカーシーンにおいて、なぜこれほどまでに「カラバオカップ不要論」が加熱しているのでしょうか。

その最大の要因は、物理的な限界を超えつつあるスケジュール問題にあります。

過密日程で廃止を求める声の高まり

現代のサッカー界において、トップクラブのスケジュールは限界に達しています。

  • プレミアリーグの38試合
  • FAカップ
  • チャンピオンズリーグ(CL)
  • ヨーロッパリーグ(EL)

といったコンペティションが組み込まれています。

近年はUEFA主催大会の拡大やFIFAクラブワールドカップの規模拡張により、ミッドウィーク(週の半ば)の空きスケジュールがほぼ消滅しています。

こうした状況下で、優先順位の低い「第3の大会」であるカラバオカップが、真っ先に削減や廃止の対象として挙げられるのは、ある意味で自然な流れと言えるでしょう。

実際に、多くのサポーターや専門家の間でも、選手の健康を守るためには大会を整理すべきだという意見が主流になりつつあります。

これに各国の代表戦まで加わるため、選手たちには休む暇がほとんどありません。

リヴァプールの事例が示したスケジュールの限界

「カラバオカップがいらない」という議論において、必ずと言っていいほど引き合いに出されるのが、2019年にリヴァプールFCが直面した前代未聞の事態です。

当時、リヴァプールはカラバオカップの準々決勝に進出していましたが、その試合日程がカタールで開催されるFIFAクラブワールドカップの準決勝と完全に重なってしまったのです。

2019年12月の異常事態

  • 12月17日:カラバオカップ準々決勝(イギリス・バーミンガム)
  • 12月18日:FIFAクラブワールドカップ準決勝(カタール・ドーハ)

結果としてリヴァプールは、トップチームと監督をカタールへ派遣し、国内のカラバオカップにはU-23チーム(実質的なリザーブチーム)を出場させるという「チーム分割」を行いました。

若手主体で臨んだリヴァプールは0-5で大敗してしまったのです。

この出来事は、トップクラブにとってカラバオカップがいかに「物理的に無理な大会」になっているかを、世界中に知らしめることになりました。

地球の裏側で2つの試合を同時に行うことは物理的に不可能ですね。

主力メンバーを温存せざるを得ない実情

プレミアリーグのトップクラブを率いる監督たちにとって、最も恐ろしいのは主力の怪我です。

リーグ戦やCLといった重要度の高い大会でベストメンバーを組めなくなることは、クラブの経営や自身の進退に直結します。

そのため、カラバオカップでは「ターンオーバー」と呼ばれる大幅なメンバー入れ替えが行われるのが常態化しています。

マンチェスター・シティのグアルディオラ監督や、かつてリヴァプールを率いたクロップ監督も、この大会における過度な負担に対して警鐘を鳴らし続けてきました。

「主力を出さない大会に価値はあるのか?」というファンの疑問も、もっともな意見ですね。

フランスが同様のカップ戦を廃止した理由

お隣のフランスでは、実際にリーグカップ(クープ・ドゥ・ラ・リーグ)が2020年を最後に廃止されました。

理由は明確で、選手の疲労軽減と、欧州カップ戦に出場するクラブの日程的な優位性を確保するためです。

フランスが廃止に踏み切ったことで、欧州5大リーグの中でリーグカップ(第2のカップ戦)を維持しているのはイングランドだけという状況になりました。

この「孤立」もまた、「時代遅れの遺物ではないか」という批判を加速させる要因の一つとなっています。

カラバオカップの賞金が安いという経済的問題

「いらない」と言われるもう一つの大きな理由が、経済的なメリットの薄さです。

プレミアリーグのクラブが動かす巨額のマネーに対し、カラバオカップの賞金設定は驚くほど低いのが現実です。

優勝賞金が選手の週給にも満たない現実

皆さんは、カラバオカップの優勝賞金がいくらかご存知でしょうか?

実は、わずか10万ポンド(約1,900万円)程度と言われています。

一般的な感覚では大金ですが、プレミアリーグのトップスター選手の給料と比較すると、その少なさが際立ちます。

  • アーリング・ハーランド
  • モハメド・サラー
  • ブルーノ・フェルナンデス

といったクラスの選手は、週給で30万ポンド以上を稼ぐとも言われています。

つまり、チームが必死に戦って優勝しても、主力選手一人の数日分の給料にも満たないのです。

これでは、クラブがリスクを冒してまで主力を投入するインセンティブが働かないのも無理はありません。

FAカップとの違いと明確な格差

同じカップ戦でも、歴史あるFAカップとは待遇が全く異なります。ここで両者の賞金規模を比較してみましょう。

項目カラバオカップ
(EFL Cup)
FAカップ
(FA Cup)
優勝賞金£100,000
(約1,900万円)
£2,000,000
(約3.8億円)
準優勝£50,000£1,000,000
権威第3の大会世界最古のカップ戦

FAカップの優勝賞金はカラバオカップの20倍です。

権威も賞金も劣るとなれば、優先順位が下がるのは経営的な判断として当然の結果と言えるでしょう。

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ビッグクラブにとっての経済的メリットの欠如

プレミアリーグでは、順位が一つ変わるだけで放映権料の分配金が数億円単位で変動します。

チャンピオンズリーグに出場すれば、参加するだけで数十億円規模の収入が約束されます。

こうした巨大ビジネスの中で、優勝しても1,900万円程度のカラバオカップは、ビッグクラブにとっては「ハイリスク・ローリターン」な案件になります。

万が一、この大会で主力が大怪我をしてリーグ戦やCLを棒に振ることになれば、その損失は計り知れません。

それでもカラバオカップが存続する構造的な理由

ここまで「いらない理由」ばかりを並べてきましたが、ではなぜEFL(主催団体)はこの大会を頑なに守り続けているのでしょうか?

そこには、イングランドサッカー界全体を支える重要な「再分配システム」が存在するからです。

下部クラブを支えるゲート収入の分配システム

カラバオカップには「ゲート収入(入場料収入)をホームとアウェイで45%ずつ分け合う」という独自のルールがあります。

これが下部リーグのクラブにとっては「宝くじ」のような意味を持ちます。

もし、4部リーグの小さなクラブが抽選でマンチェスター・ユナイテッドと当たり、7万人収容のオールド・トラッフォードで試合ができればどうなるでしょう?

その一夜の試合だけで、小規模クラブの年間予算の半分や、全選手の年俸総額に匹敵するような大金が転がり込んでくる可能性があります。

この仕組みがある限り、経営の苦しい下部クラブにとってカラバオカップは絶対に「必要な大会」なのです。

トップクラブにとっては負担でも、ピラミッド全体で見れば、富を再分配する重要な機能を果たしているわけです。

若手育成の実験場としての重要な機能

トップクラブにとっても、全くメリットがないわけではありません。

過密日程だからこそ、普段リーグ戦に出られない若手選手やアカデミーの有望株を試す絶好の機会となります。

実際に、

  • フィル・フォーデン
  • トレント・アレクサンダー=アーノルド

のように、この大会でチャンスを掴んでスターダムにのし上がった選手は数多くいます。

公式戦の緊張感の中で経験を積ませる「育成の場」としての価値は、多くの監督が認めているところです。

優勝チームが得られるUECL出場権の価値

優勝チームには、翌シーズンのUEFAカンファレンスリーグ(UECL)の出場権(プレーオフ)が与えられます。

すでにCL出場権を持っているトップクラブには関係ない話かもしれませんが、中堅クラブにとっては欧州への扉を開く貴重なルートです。

タイトル獲得と欧州カップ戦への切符は、中堅クラブのファンにとって夢のある目標であり続けています。

準決勝の2レグ制が維持される経済的背景

「せめて準決勝のホーム&アウェイ(2試合制)をやめて、一発勝負にすればいいのに」という意見も根強くあります。

しかし、これもなかなか実現しません。

理由はシンプルに「お金」です。

準決勝を2試合行えば、それだけチケット収入と放映権料が発生します。

EFLとしては、少しでも多くの収益を確保して加盟クラブに分配したいため、ドル箱である準決勝の試合数を減らすことには消極的なのです。

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日本人選手の活躍と今後の放送予定

日本のサッカーファンとしては、日本人選手が活躍するかどうかも重要な関心事ですよね。

リヴァプールで優勝に貢献した遠藤航の評価

2024年の決勝、リヴァプール対チェルシー戦は記憶に新しいところです。この試合で遠藤航選手は延長戦を含めた120分間をフル出場し、見事に優勝に貢献しました。

現地でも「戦士」「機械」と称賛され、主力選手が怪我で離脱する中、チームを支えた彼の姿は感動的でした。

トップクラブがターンオーバーを行う大会だからこそ、

  • 新加入選手
  • アカデミー選手
  • サブ組の選手

たちにとってのアピールの場となり、そこで結果を残すことで信頼を勝ち取るストーリーが生まれます。

遠藤選手にとっても、リヴァプールでの初タイトル獲得という大きな意味を持つ大会となりました。

日本でのカラバオカップの放送視聴方法

「カラバオカップ いらない」と検索しつつも、やはり試合があれば見たいのがファン心理です。

2024-25シーズン現在、日本でカラバオカップを視聴するにはどうすれば良いのでしょうか。

主な視聴方法はDAZN

現在、カラバオカップの放送権はDAZNが持っています。

  • FAカップ
  • EFLチャンピオンシップ(2部)

と合わせて配信されているため、イングランドのカップ戦を網羅したい場合はDAZN系のサービス一択となります。

「DMM×DAZNホーダイ」や「ABEMA de DAZN」といったプランでも視聴可能です。

地上波での放送は基本的にないため、配信サービスを利用する必要があります。

2025年からのルール変更と予備予選の導入

最後に、今後の大会の行方についてです。

UEFAの大会拡大に伴い、2025-26シーズンからはフォーマットの一部変更が予定されています。

具体的には、欧州カップ戦に出場するクラブの日程を確保するために、下部リーグのクラブによる「予備予選」のようなラウンドが導入されたり、日程の重複を避けるための調整が行われたりする見込みです。

完全に廃止されることはなさそうですが、トップクラブの負担を減らしつつ、下部クラブの収益も守るという難しい舵取りが今後も続いていくでしょう。

まとめ|カラバオカップはいらない大会なのか

ここまで見てきたように、「カラバオカップ いらない」という意見には、選手の健康を守るという正当な理由があります。

トップクラブの視点だけで見れば、経済的合理性に欠ける「コストの高い」大会であることは間違いありません。

しかし、視点を変えて「イングランドサッカー界全体」で見ると、この大会は下部クラブの生存を支える生命線であり、若手選手が輝くための貴重なステージでもあります。

トップクラブが若手を起用し、下部クラブがジャイアントキリング(大金星)と収益を狙う。

この「非対称な戦い」こそが、カラバオカップの独自の魅力であり、存在意義なのかもしれません。

自分としては、遠藤選手のような日本人選手が活躍するチャンスが増えるのであれば、形を変えながらでも続いてほしいなと思っています。皆さんはどう感じますか?

ABOUT ME
すだこ
はじめまして。サッカー大好き1986年生まれの『すだこ』といいます。 小学校3年生からサッカーをはじめ、高校時代にインターハイと選手権大会で全国ベスト16を経験しています。 当ブログ『リベログ』では、サッカー好きの方やサッカー初心者の方へ向けて、主にプレミアリーグやチャンピオンズリーグなどのサッカー情報を紹介します。
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