サッカーの世界では、試合中の選手の行動を管理するために「警告(カード)」といったルールが存在し、イエローカードやレッドカードが試合の結果を大きく左右することも多いです。
これらのカードは一見単純な警告のように思えますが、その背後には細かいルールが存在し、それぞれが試合やシーズンを通じてクラブや選手に大きな影響をもたらす可能性があります。
「警告(カード)」のルールの詳細は混乱を生みやすい部分になっていて、プレミアリーグを視聴していると、
- 累積警告は何回で出場停止になるの?
- レッドカードで退場したのに3試合出場停止なの?
- 監督が累積警告でベンチにいない!?
などと疑問に思うことが多いです。
そこで本記事では、プレミアリーグにおけるイエローカードの累積警告とレッドカードの出場停止のルールや、これらの警告が選手やクラブに与える影響などを紹介します。
\プレミアリーグ全試合配信/
テレビの大画面でプレミアリーグを視聴しよう!
イエローカードとレッドカードの発生条件

サッカーの試合で見かけるイエローカードとレッドカード。観戦していると何となくその意味は理解しているかもしれませんが、その具体的な発生条件を詳しく知っていますか?
ここでは、プレミアリーグでのカードの発生条件を紹介します。
イエローカードの発生条件とは
サッカーの試合で審判が選手に対してイエローカードを提示すること、それは選手がルールを破ったことを示す警告になります。通常、反則行為やスポーツマンシップに反する行為などがイエローカードの発生条件となります。
例えば、以下のようなケースでイエローカードが出されます。
- 相手選手に対して危険なタックルを仕掛けたとき
- 試合進行を妨げるような行為をしたとき(遅延行為)
- 口論がエスカレートしたり相手選手に手を出したとき
- 審判に強い抗議を行ったとき
イエローカードは、一試合の中で同じ選手が2枚受け取るとレッドカードになり、試合から退場しなければなりません。ですので、1枚目のイエローカードを出されたあとは自身の行動により一層注意を払う必要があります。
危険なファウル以外にも警告が出されます。
2022-23シーズンに監督同士の衝突や選手が審判に激しく抗議する場面、サポーターによる差別的な言動が散見されたことを受け、今シーズンの開幕前に審判員に対する振る舞いを改善するよう同リーグが各チームに要求しました。
これに伴い、2023-24シーズンからは警告のルールが厳しくなったため、「イエローカードの枚数が増えるのではないか?」といわれています。
- 複数人で審判に詰め寄る
- 遠い距離から審判に走って詰め寄る
- 審判の判断に暴言を吐く
- ファウルされた後に「カードを出せ!」とジェスチャーをする
これまでも審判への強い抗議にはイエローカードが出されていましたが、新シーズンはさらに簡単にカードが出されるようになりました。審判の身の安全を保障するためにも、カードの発生条件が厳しくなったのは仕方のないことかもしれません。
冨安選手もスローインが遅いと遅延行為とみなされ、新基準の餌食になりました。
さらに、監督やコーチにもイエローカードが出されやすくなりました。
- テクニカルエリアに複数人のスタッフが入る
- 監督がテクニカルエリアから飛び出す
- 敵チームの選手へカードを出すように要求する
ちなみに、退席処分を受けた監督やスタッフは、これまでのようにスタンドから試合を見ることができなくなり、完全にピッチから見えない場所に移動しなければなりません。
エキサイトする監督も多いので、新基準に順応していかなくてはなりませんね。
レッドカードの発生条件とは
一方、レッドカードはサッカーの試合で最も重い処分を受けることになるカードです。このカードを提示された選手は試合から即座に退場し、次の試合からの出場停止という重いペナルティを受けます。
- 著しく危険なファウルや乱暴行為
- 意図的なハンドやファウルで決定機を阻止したとき
- 相手選手を噛んだり唾を吐く行為
- 攻撃的・侮辱的・差別的な発言や身振りをしたとき
- 同じ試合で2回目の警告を受けたとき
スパイクの裏を見せてのタックルなど危険なファウルはもちろんのこと、人種差別や侮辱行為といった不適切な振る舞いは、スポーツマンシップに反する行為でレッドカードの対象になります。
レッドカードは選手にとって大きなダメージを与え、試合の純粋な楽しさを台無しにするものなので、その発生条件は選手にとって厳重に意識すべきものとなっています。
VAR介入の条件
ビデオ・アシスタント・レフェリー(Video Assistant Referee、略称VAR)は、試合結果に大きな影響を与える人的ミスを最小限に抑えるために導入されました。
VARの審査対象となるのは、以下の4つのカテゴリーになります。
審査対象 | 備考 |
---|---|
得点かどうか | ・ゴールラインを割っているか ・オフサイドではないか ・ハンドをしていないか ・PK中の反則や侵入はないか |
PKかどうか | ・ファウルした場所はペナルティエリア内かどうか ・ファウルの対象かどうか ・演技で倒れていないかどうか |
一発退場かどうか | ・すべての一発レッドカードが審査の対象となる ・2枚目のイエローカードによる退場は含まない |
判定の対象選手を 間違えていないか |
これらのなかで「はっきりとした明白な誤審」もしくは「見逃された重大な事象」があった場合にVARの介入が入ります。一発退場の対象となるプレーにもVARが介入されるので、ヒートアップしやすい選手や激しいコンタクトを得意とするる選手は細心の注意が必要です。
試合の流れをスムーズに保つためにも、試合の中で重要となるプレーに限定されるということですね。
\プレミアリーグ全試合配信/
テレビの大画面でプレミアリーグを視聴しよう!
プレミアリーグの累積警告と出場停止ルールの基本知識

イエローカードの累積警告やレッドカードの出場停止処分は、各サッカーリーグで若干ルールが違ってきます。世界的に人気のあるプレミアリーグではどのようなルールが適用されるのでしょうか。
イエローカード累積警告の具体的なルール
プレミアリーグでは、一定数のイエローカードをもらうと、累積警告により数試合出場停止となる具体的なルールが定められています。
- 19節までに5枚=1試合出場停止
- 32節までに10枚=2試合出場停止
- 累積15枚=3試合出場停止(試合数関係なし)
- 累積20枚=独立規制委員会によって出場停止日数が決定される(試合数関係なし)
この累積警告により出場停止となるペナルティは、そのシーズン中にリセットされることはありません。出場停止から戻ってきてもシーズン開始から終了までに積み重なったイエローカードの枚数は、その後の試合への影響を持ち続けることになります。
審判への強い抗議や遅延行為によるイエローカードのルールが厳しくなったので、累積警告による出場停止が増える可能性があります。選手は自身のイエローカード累積数を意識し、不必要な警告を避けるために冷静なプレーや態度が求められます。
監督は選手の累積数が悩みの種になる可能性が多くなりそうです。
レッドカード出場停止の具体的なルール
プレミアリーグでは同じ試合でイエローカード2枚の警告を受けると1試合の出場停止となるのはもちろんのこと、一発レッドカードによる出場停止のルールも非常に厳格に定められています。
- 相手選手への危険なプレーで退場=3試合出場停止
- 相手選手への暴力行為で退場=3試合以上の出場停止の可能性
- 相手選手への蔑視的な発言や暴言で退場=3試合以上の出場停止の可能性
これらの判定は試合後に審議にかけられ、出場停止試合数が増加したり少なくなることもあります。クラブ側が「判定が厳しいのではないか?」とFAに異議申し立てを行ない、退場処分が取り消されるケースも意外と多いです。
出場停止に加えて罰金が科せられることもあります。
\プレミアリーグ全試合配信/
テレビの大画面でプレミアリーグを視聴しよう!
プレミアリーグのイエローカードとレッドカードの罰則の影響

プレミアリーグにおけるイエローカードとレッドカードの罰則は、ゲームの進行に大きな影響を与えます。これは単なる選手個人に対するペナルティだけでなく、チーム全体、監督、サポーターにまでその影響を及ぼします。
選手個人への影響
イエローカードとレッドカードの罰則は、選手のキャリアや自己イメージ、そして他の選手やファンからの評価にも影響を与えます。
レッドカードを受けた場合は、その試合の退場と次節から3試合出場停止になります。これは選手のプレータイムに直接影響し、出場停止の間に他の選手が活躍してしまえば選手のキャリアにとっては大きな後退となるでしょう。
多くの警告を受けてしまうと、
- またカードを貰ったよ!どれだけチームに迷惑をかけるんだ!
- この選手は危険なファウルが多いから要注意だ!
- こいつがエキサイトしたら仲裁に入らないと…
などと、選手のプロフェッショナリズムやスポーツマンシップに疑念を持つサポーター・レフェリー・同じチームの選手がでてくるでしょう。
チームメイトやサポーターからの評価が下がるだけでなく、クラブや監督からの評価も下がれば将来的に出場機会が減る可能性さえもでてきます。
悪いイメージを解決するには時間と努力が必要になりますね。
チーム全体への影響
試合中に退場して10人になったチームにとっては、戦略的な調整が必要となります。退場したのが試合終了前であればまだいいのですが、残り時間が多い場合は一人少ない状態をどう補うかが試合の勝ち負けに直結します。
選手が一人減ることで、他の選手たちが余分な役割を担当する必要がでてきます。ディフェンスラインにいる必要のある選手が攻撃の役割も任されるシーンも増えますし、前線の選手がボールを奪うためにハードワークが求められるケースも増えます。
選手の体力を余計に消耗させてしまいます。
退場した選手がキープレーヤーであれば、
- 得点が取れなくなる
- ディフェンスラインが統率できなくなる
- チームのバランスが崩れる
- パスが繋がらなくなる
- 中盤が間延びしてしまう
- ボール奪取ができなくなる
などと、特にその影響は大きくなります。
一人少なくなってから逆転するケースもありますが、チームの士気にも影響しますし、上手くゲーム運びができなくなってしまうでしょう。
キープレーヤーが3試合の出場停止になったらチームとしては大きい痛手になりますね。
監督にとっての影響
選手が罰則を受けると監督にも大きな影響があります。試合中に選手が警告を受けたり退場があった場合、監督は試合戦略を急速に変更しなければならなくなります。
- 2回目の警告を受けないように交代させるか
- 失われたポジションを誰が補うか
- カウンターで得点を狙いにいくか
- 勝っていれば守備に徹するか
対戦相手のレベルにもよりますが、その全てを瞬時に判断しなければなりません。
選手が退場してしまえば、次の試合のための新たな戦略を立てる必要がありますし、選手が警告を受けるたびに、監督は試合へのアプローチ方法について再考する必要がでてきます。
警告を受ける選手をどうやってコントロールするか、そのような状況を予防するための戦術をどのように追加するかなど、選手の行動に責任を問われるシーンもあり、監督としての評価が下がる可能性もあるでしょう。
累積警告や出場停止は監督の悩みの種となることもあります。
サポーターにとっての影響
累積警告や出場停止はサポーターにも間接的な影響を及ぼすでしょう。彼らの選手に対する評価、試合への期待感や楽しみ方に大きく関わってきます。
選手がカードを受けて退場すると試合の興奮度は変わります。人数が減ったチームは通常守備に重きを置き、攻撃は主にカウンターになってしまいます。その結果、試合は防戦一方になり、サポーターは激しいバトルを期待できなくなります。
相手ゴールに迫るシーンを多く見たいですよね。
選手が退場するというのは試合の勝利から最も離れるシーンでもあるので、サポーターは自分たちが応援する選手が退場した時、悲しみや憤りを感じるものです。特に気に入っている選手が3試合の出場停止となったら大きな失望感を引き起こすでしょう。
サポーターは自分が応援するチームの選手が退場した場合、「今ので一発退場はないだろ!?」「誤審じゃないのか!?」と考えるものです。試合のイメージや公平性にも悪い影響を与え、試合の評価は下がり、サポーターが試合から得られる満足感が薄れることでしょう。
日本人選手が3試合も出場停止になったら楽しみが減ります…
\プレミアリーグ全試合配信/
テレビの大画面でプレミアリーグを視聴しよう!
プレミアリーグの累積警告と出場停止|まとめ
プレミアリーグにおけるイエローカードとレッドカードの罰則は、試合の流れを左右する重要なシーンでもあります。選手、チーム、監督、サポーター、それぞれの立場から見てもその影響は大きいものです。
チーム戦略に影響し、選手たちにとっても試合観戦を楽しむファンにとっても大きな意味を持っています。
イエローカードやレッドカードのシーンも含めてサッカーです。プレミアリーグは2023-24シーズンから警告へのルールが厳格化されたので、累積警告や出場停止のルールを深く理解することで、より一層試合を楽しんで視聴できるようになるでしょう。