サッカーは世界中で愛されるスポーツであり、その魅力の一つは国を越えて活躍する選手たちの存在です。
日本代表でも帰化選手が活躍した例はあり、彼らの活躍がチームに新たな風を吹き込みました。
しかし、「日本代表としてプレーするためにはどのような条件があるのか?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、帰化して日本代表としてプレーするために必要な具体的な条件やプロセスを徹底解説します。
日本人に帰化する条件
外国人が日本に帰化する際に必要になってくる条件は以下の通りです。
①住所条件
【引き続き五年以上日本に住所を有すること】
まずは、帰化の申請をする人が5年以上日本に住んでいることが必要となってきます。
〝引き続き〟という点がよく問題になるそうで、
- 5年間のどこか数か月出身国に戻る
- 在留が中断していると判断される
このようなことが起こると、5年以上というケースに当てはまらなくなってしまいます。
その他、以下のような方は条件が緩和されるようです。
- 日本国民であった者の子(養子を除く。)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの
- 日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養 母を除く。)が日本で生まれたもの
- 引き続き10年以上日本に居所を有する者
- 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に所を有するもの
- 日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの
- 日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの
- 日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの
- 日本の国籍を失った者(日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く。)で日本に住所を有するもの
- 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有する者
引用:帰化ドットコム
日本で誕生したり、日本人と結婚したり、留学生として長く日本にいることで条件が緩和すると言うワケですね
②能力条件
【年齢が20歳以上であり本国法によって行為能力を有している。】
帰化申請が認められるためには、〝20歳以上であること〟が必須条件になってきます。
それに加えて、帰化しようとしている本人の母国の法律でも成人年齢に達していることが必要です。
また、未成年の子供が両親と一緒に帰化申請する場合は、20歳に達していなくても帰化することができます。
サッカー日本代表でも活躍した『ハーフナー・マイク』がこのケースにあたるそうです。
③素行条件
【素行が善良であること】
素行条件というのは以下の要素で判断されています。
犯罪の有無は説明する必要もありあませんよね。
交通違反に関しては、駐車禁止などの軽微なものでも積み重ねると帰化が認められないことがあるようです。
納税義務は、基本的に国内に居住している場合は日本国籍がない人でも納税しなければなりません。
年金の支払いも帰化条件として必要になりました。
日本のルールを守り、しっかり働いて納税と年金を支払わなければいけないとうことですね。
④生計条件
【自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること】
生計条件は、
という審査項目になります。
一人暮らしであれば『自分一人の収入で生活できるか』、家族と一緒に暮らしているのであれば『家族の収入で生活できるお金があるのか』ということを見られます。
貯金額はあまり関係なく「安定した職で安定した収入があるのか」ということが重要になってきます。
また、住宅ローンや自動車ローンなどの借金があっても、滞りなく支払えていれば問題ないようです。
日本で生活できる能力があるのか判断するということですね。
⑤喪失条件
【国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと】
日本に帰化するためには、母国の国籍を失うことができるかどうかという条件です。
日本は二重国籍を認めていないので、この条件が必要になってきます。
例外として、本人の意思によって母国の国籍から離脱できない場合は、この条件をクリアできなくても帰化が認められることがあります。
例えばブラジルは国籍の離脱を認めていないので、ブラジル出身の人が帰化した場合は、日本とブラジルの二重国籍となります。
サッカー日本代表として活躍した、ブラジル出身の「ラモス瑠偉」や「闘莉王」などのケースがそうですね。
⑥思想条件
【日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと】
難しく記載されていますが、簡単に言うと〝暴力団やテロリストではないこと〟ということです。
日本政府を暴力によって破壊するような思考がある場合は、日本への帰化は認められません。
日本に対して危険人物だと判断されなければいいわけですね。
⑦日本語能力条件
【日本語の読み書きができること】
帰化申請では日本語能力もある程度必要になってきますが、そこまで厳しいわけではないようです。
面接などで、
などと判断された時に、筆記試験が課されるようです。
留学生や日本の企業に就職をしている方であれば簡単な条件ですね。
最低限の読み書きなど、小学3年生程度のレベルがあればいいようです。
FIFA(国際サッカー連盟)の条件
サッカーは国際大会が盛んな競技の1つなので、選手が帰化する例が多いスポーツでもありあます。
そのため、代表を強化するための安易な帰化を防止するために、FIFA(国際サッカー連盟)独自の帰化条件を設けています。
基本的なルールは以下の通りです。
代表の公式戦に一度でも出場すると他国の代表になれない
年代別代表やA代表の公式戦に一度でも出場したことがある選手は、その後に国籍を変更しても他国の代表選手になることはできません。
このような場合は、他国に帰化したとしても代表選手として活躍することができません。
代表の親善試合や練習に参加しただけの場合は、代表チームを変えることができます。
重国籍者に限る例外
複数の国籍を保持している人でも、一度でもA代表の公式戦に出場すると他国の代表になることはできません。
しかし例外があって、
A代表ではなく年代別代表の公式戦にのみ出場した選手は、出場していた際に保持していた別の国籍に1度だけ変更することができます。
あくまでも重国籍者に対する例外なので、年代別代表の公式戦にしか出場していない場合でも、あとから国籍を取得して代表チームを変更することはできません。
さらに特殊例として、国家が分離独立した場合は、分離した国から国籍を選べるようです。
旧ユーゴスラビアが例になります。
年代別代表からA代表の公式戦に一度も出場していない選手
年代別代表やA代表の公式戦に一度も出場したことがない選手に限り、他国の国籍を取得して他国の代表チームの一員としてプレーすることができます。
しかし、この場合も条件が設けられていて
帰化した国に、18歳に達したあとから5年以上の居住歴を持たなければならない
という条件があります。
18歳からその国に住み始めて5年なので、早くても23歳にならないと代表選手になる資格を得られないということになります。
安易な帰化を防止するために、サッカーでは厳しいルールが制定されていますね。
まとめ|海外サッカー選手が日本代表で活躍するには厳しい条件がある
海外サッカー選手が日本代表として活躍するためには、
日本人に帰化する条件+FIFAの条件
をクリアする必要があります。
FIFAの条件をクリアしていても、日本の帰化条件が厳しいために日本代表で活躍した帰化選手が少ないのかもしれません。
これまでに日本に帰化した選手は、日本を愛し、日本のために全力でプレーしてくれる選手ばかりでした。
今後も、サッカー日本代表として活躍する帰化選手が出てくることを楽しみにしたいですね。