プレミアリーグ降格したことないクラブは6つだけ?全チームの歴史と2026年最新事情
世界最高峰の戦いが繰り広げられるイングリッシュ・プレミアリーグですが、実は1992年のリーグ創設以来、一度も2部リーグへ降格したことないクラブがごくわずかしか存在しないことをご存知でしょうか。
毎年3チームが入れ替わる過酷な生存競争の中で、長年にわたりトップリーグの座を死守しているチームはどこなのか、気になっている方も多いはずです。
今回は、プレミアリーグ降格経験なしと言われるクラブの歴史的背景や、過去に経験した意外な降格の事実、さらには2026年現在の最新シーズンの動向までを徹底的に深掘りしていきます。
- プレミアリーグ創設以降に一度も降格していない全6クラブのリスト
- 「降格経験なし」と言われる強豪クラブが過去に経験した2部リーグ時代の真実
- 2026年現在マンチェスター・ユナイテッドなどが直面している新たな降格危機
- 財務規定違反やスタジアム問題などピッチ外で起きている生存競争の裏側
プレミアリーグ降格経験なしの全6クラブ一覧

世界で最もリッチで、かつ最も残酷なリーグと言われるプレミアリーグ。
ここでは、1992年のリーグ再編・創設以来、一度たりとも下のカテゴリー(チャンピオンシップ)に落ちることなく戦い続けているエリートクラブについて解説します。
プレミアリーグ創設以来の無降格定義と条件
まず、「降格したことない」という言葉の定義をはっきりさせておく必要があります。
一般的にこの話題が出る際、基準となるのは1992-93シーズンのプレミアリーグ創設時点です。
イングランドのフットボール自体は100年以上の歴史がありますが、現在のプレミアリーグ体制になってから30年以上、一度も降格せずに「皆勤賞」を続けているのは、わずか6クラブしかありません。
よくある誤解
- マンチェスター・シティやニューカッスルは強豪ですが、プレミアリーグ創設以降に降格経験があります。
- 「歴史的無降格(創設以来一度も降格なし)」という定義で見ると、イングランドには該当するクラブが存在しません。
6クラブの連続在籍記録と2026年の現状
プレミアリーグで降格経験がない6クラブは、いわゆる「ビッグ6」と呼ばれる強豪たちとほとんど重なります。それぞれの在籍状況を整理しました。
| クラブ名 | PL在籍開始 | 最後の降格年度 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|
| アーセナル | 1992年 | 1912-13 | イングランド最長の連続在籍記録(100年以上)を保持 |
| エヴァートン | 1992年 | 1950-51 | トップリーグ通算在籍年数が全クラブ中最多 |
| リヴァプール | 1992年 | 1953-54 | 1962年の昇格以来、一度も降格していない |
| マンチェスター・U | 1992年 | 1973-74 | プレミアリーグ最多優勝回数を誇る |
| トッテナム | 1992年 | 1976-77 | 1978年の昇格以来、トップリーグを維持 |
| チェルシー | 1992年 | 1987-88 | プレミア創設直前に昇格し、以降定着 |
現在のプレミアリーグ在籍状況
近年、「無降格クラブ」のリストがついに書き換わるかもしれないという緊張感が漂っています。
- エヴァートン
新スタジアムへの移転という希望がある一方、恒例行事のように残留争いに巻き込まれています。 - マンチェスター・U
かつてないほどの不振に喘ぎ、降格圏との勝ち点差が詰まっています。
特にこの2クラブについては、「降格しない」という実績は、あくまで過去の栄光であり、未来を保証するものではないという現実を突きつけられています。
イングランドトップリーグの通算在籍年数
「連続在籍」ではアーセナルがトップですが、「通算在籍」で見ると順位が変わります。
エヴァートンは120シーズン以上もトップフライトで戦い続けており、まさに「イングランドフットボールの父」とも呼べる存在です。
エヴァートンが降格しない理由
彼らが残留争いをするたびに現地で大騒ぎになるのは、単に1つのクラブが落ちるかどうかという話ではなく、「リーグの歴史そのものが失われる」ような喪失感をファンが抱いているからこそ、土壇場で凄まじい底力を発揮するのかもしれません。
降格を知らない強豪クラブの意外な歴史

現在は世界的なメガクラブとして君臨する彼らですが、歴史を紐解けば、ファンの怒号が飛び交うような暗黒期や、奇跡的な残留劇を経験しています。
各クラブの「知られざる過去」を見ていきましょう。
アーセナルが経験した唯一の2部降格と疑惑
「ガナーズ」の愛称で知られるアーセナルは、現在イングランドで最も長くトップリーグに居続けているクラブです。しかし、彼らにも1度だけ汚点があります。
しかし、ここからがアーセナルの伝説(あるいは疑惑)の始まりです。
第一次世界大戦後の1919年、リーグ拡張に伴う昇格枠を巡る投票で不可解な決定が下されました。
- 本来なら2部の上位チームが昇格するはずだった。
- なぜか2部リーグ5位だったアーセナルが投票で選ばれた。
- このあおりを受けてトッテナムが不利益を被った。
この出来事が、現在まで続く「北ロンドン・ダービー」の激しい敵対関係の決定的な火種になったと言われています。
マンチェスターユナイテッド降格の悲劇
プレミアリーグで圧倒的な強さを誇ったマンチェスター・ユナイテッドですが、1973-74シーズンには屈辱の降格を味わっています。
1974年の悲劇的なエピソード
- 残留をかけた運命のマンチェスター・ダービー。
- 決勝ゴールを決めたのは、元ユナイテッドの英雄デニス・ロー(当時マンC)。
- ローはゴール直後、喜びもせず俯いてピッチを去った。
この「恩返し弾」ならぬ「引導を渡すゴール」は、クラブ史に残る悲劇のワンシーンとして語り継がれています。

その後、1年で復帰を果たし、後のファーガソン監督時代に黄金期を築くことになります。
エヴァートンの奇跡的な残留劇と新スタジアム
エヴァートンは「残留のスペシャリスト」と言えるほど、何度も土俵際で生き残ってきました。特に有名な2つの奇跡を紹介します。
| 年度 | 対戦相手 | 状況 | 結末 |
|---|---|---|---|
| 1994年 | ウィンブルドン | 最終節・負ければ降格 | 0-2からの大逆転勝利(3-2)で残留。 |
| 1998年 | コヴェントリー | 最終節 | 得失点差わずか「2」の差でボルトンを上回り残留。 |

そして2025-26シーズン、長年親しんだグディソン・パークを離れ、ブラムリー・ムーア・ドックの新スタジアムへ移転します。
最新鋭のスタジアムで新たな歴史を作れるか、それとも「ハコモノ」の負担に苦しむことになるのか、重要な局面を迎えています。
リヴァプールとチェルシーの2部低迷期
今でこそ欧州王者を争う両クラブですが、意外と長い「2部暮らし」を経験しています。
- リヴァプール
1950年代に8シーズンも2部リーグに滞在。名将ビル・シャンクリーの就任(1959年)により復活。 - チェルシー
1970〜80年代は昇格と降格を繰り返す「エレベータークラブ」。最後の降格は1988年。
チェルシーの1988年の降格時には、暴動が起きるほどスタジアムが荒れました。今の華やかなイメージからは想像もつかない時代があったのです。
トッテナムの降格経験と1部復帰の軌跡
トッテナムも1976-77シーズンに最下位で降格しています。しかし、彼らの対応は素晴らしいものでした。
「降格させた監督を解任せず、再建を託した」のです。その判断が功を奏し、1年での即復帰に成功。
直後にアルゼンチン代表のスター選手(アルディレスら)を獲得して世界的な話題をさらい、ブランドイメージを一気に回復させました。
パニックにならず長期的なビジョンを持つことの重要性を示した好例です。
昇格組イプスウィッチが直面する壁と現実
2024-25シーズンに昇格したイプスウィッチ・タウンなどは、プレミアリーグの「壁」の高さに苦しんでいます。
- チャンピオンシップ(2部)では圧倒的でも、プレミアでは通用しない。
- 資金力と選手層の厚さが段違い。
彼らが苦戦する姿を見るたびに、30年以上もこの地位を守り続けている6クラブの異常なまでの「継続力」を再認識させられます。
プレミアリーグから降格しないための条件
現代のプレミアリーグにおいて、降格しないために必要なのは、単にサッカーが上手いことだけではありません。
経営力、コンプライアンス、そして運。すべてが揃わなければ生き残れないのです。
財務規定違反による勝ち点剥奪のリスク

近年、順位表を大きく揺るがしているのが「利益と持続可能性に関する規則(PSR)」です。
PSR(Profit and Sustainability Rules)とは?
簡単に言えば「クラブの稼ぎ以上に赤字を出してはいけない」というルール。違反時のペナルティは以下の通り。
- 独立委員会による審査。
- 「勝ち点剥奪」処分(実際にエヴァートン等はこれで順位を落としました)。
- 補強禁止処分などの可能性。
これからの時代は、「ピッチ上の成績は残留圏内なのに、決算書の内容が悪くて降格する」という恐ろしい事態が当たり前になるかもしれません。
マンチェスターシティの強制降格疑惑

サッカー界最大の爆弾と言われているのが、マンチェスター・シティの財務違反疑惑です。
115件にも及ぶ違反がもし立証されれば、以下の処分が下される可能性があります。
もしこれが現実になれば、2000年代以降最強を誇ったクラブが、一瞬にしてカテゴリーを落とすことになります。
マンUのアモリム監督解任と降格危機

そして今、最も衝撃的なのが2025-26シーズンのマンチェスター・ユナイテッドです。期待されたルベン・アモリム監督が適応できずに解任され、チームは低迷しています。
名門があっけなく崩れ落ちていく様は、過去に降格した名門クラブの空気に酷似しています。
「ユナイテッドが落ちるわけがない」という慢心こそが、最大の敵なのかもしれません。
日本人選手が挑んだ過酷な残留争いの記憶
私たち日本人ファンにとっても、残留争いは他人事ではありません。多くの日本人選手が、世界最高峰のリーグで生き残りをかけて戦ってきました。
| 選手名 | 所属クラブ(当時) | 残留争いの記憶 |
|---|---|---|
| 吉田麻也 | サウサンプトン | 毎年のように訪れる危機をCBとして跳ね返した「残留の守護神」。 |
| 稲本潤一 | WBAなど | WBA時代の「グレート・エスケープ(最下位からの奇跡の残留)」を経験。 |
かつては「残留できるか?」が焦点でしたが、現在は遠藤選手や三笘選手のように、上位争いをするチームで主力を張る日本人が増えました。
欧州主要リーグの無降格クラブと比較
世界的な視点で比較してみると、プレミアリーグの過酷さがより浮き彫りになります。

| リーグ | 無降格クラブ | 備考 |
|---|---|---|
| ラ・リーガ | レアル・マドリード バルセロナ A・ビルバオ | ビルバオは「バスク人選手のみ」という制約の中で達成。 |
| セリエA | インテル | ユヴェントスは八百長スキャンダル(カルチョーポリ)で降格経験あり。 |
| ブンデスリーガ | なし | ハンブルガーSVが降格して以降、創設からの無降格クラブは消滅。 |
こう見ると、資金力が分散され、下位チームでも高額な補強ができるプレミアリーグで、6つものクラブが無降格を維持しているのは、ある意味で奇跡的なバランスと言えるかもしれません。
まとめ|プレミアリーグ降格したことない記録の真意
- プレミアリーグ創設(1992年)以降、降格なしは6クラブのみ
(アーセナル、チェルシー、エヴァートン、リヴァプール、マンU、トッテナム) - しかし、歴史を遡れば全クラブに降格経験がある
- 現代は財務規定(PSR)による「勝ち点剥奪降格」のリスクが高い
- 2026年現在、マンUのようなメガクラブでも安泰ではない
結論として言えるのは、「永遠に安全なクラブなど存在しない」ということです。
アーセナルもユナイテッドも、過去には2部リーグの泥にまみれ、そこから這い上がって今の地位を築きました。
そして今、財務ルールという新たな敵とも戦いながら、その歴史を繋ごうとしています。
「降格経験なし」という輝かしい記録の裏には、薄氷を踏むような危機の連続と、それを乗り越えてきたクラブとサポーターの執念があります。
これを知ってから週末の試合を見ると、残留争いのヒリヒリした試合も、また違った面白さで見えてくるのではないでしょうか。


