プレミアリーグの試合を見ていると各クラブに様々な国籍の選手が在籍しているので、プレミアリーグの外国人枠が何人まで出場できるのか疑問に思ったサポーターも多いのではないでしょうか。
昨シーズンの王者マンチェスター・シティを見てみると、
- ハーランド(ノルウェー)
- アルバレス(アルゼンチン)
- コバチッチ(クロアチア)
- ジェレミー・ドク(ベルギー)
- ナタン・アケ(オランダ)
- マヌエル・アカンジ(スイス)
- ルベン・ジアス(ポルトガル)
というように、スターティングメンバ―の半分以上が外国籍選手のことも多いです。
外国人枠ってどうなってるの?と思いますよね…
結論から言うと、プレミアリーグに外国人枠の制限はありません。
外国人枠がないため各国のスター選手が集結しやすい理由にもなっていますが、その代わりにホームグロウン制度を設けたり厳しい労働許可ルールが存在します。
そこで本記事では、プレミアリーグの外国人枠が気になるファンへ向けて、
- 選手登録制限
- ホームグロウン制度
- 労働許可証
について徹底解説します。
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プレミアリーグの外国人枠はある?

冒頭にも述べましたが、プレミアリーグに外国人枠はありません。まずはプレミアリーグの出場選手登録のルールを見ていきましょう。
プレミアリーグの選手登録制限
- トップチームに登録できる選手は25名まで
- 外国人枠はなし
- ホームグロウン選手を8名含む必要がある
- ホームグロウン選手以外の登録は最大で17名
- 21歳以下の選手は上記登録人数に関係なく登録できる
- 外国籍選手は労働許可証(就労ビザ)を取得する必要がある
外国人枠はありませんが、トップチームに登録できる25名のうち自国で育成されたホームグロウン選手を8名含む必要があり、外国籍選手は、イギリスの法律により労働許可証(就労ビザ)を取得する必要があります。
ベンチ入りは9人までで交代枠は原則的に5枚、脳震盪の選手を入れ替えられる追加交代枠が1枚設けられています。
外国人枠がないぶん、厳しい登録制限があるようですね。
\プレミアリーグの交代枠についてはコチラで解説/

外国籍扱いの区分
イギリスがEUから離脱するまでは、EU加盟国と欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国の国籍を持つ選手は労働許可証は必要ありませんでしたが、EU離脱後の2021年からはEU・EFTA加盟国の選手も労働許可証の取得が必要になりました。
2023-24シーズンからは基準が少し緩和され、労働許可証を取得できない選手を各クラブが最大4選手と契約できるようにルール改定されました。
ちなみに、イギリス(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)とアイルランド国籍の選手は国内選手扱いとなっています。
プレミアリーグのホームグロウン制度と労働許可証については、下の章で詳しく解説します。
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プレミアリーグの『ホームグロウン制度』

プレミアリーグでは外国人枠が定められていないため、何人でも自国以外の選手を登録・出場させることができますが、その代わりに厳しくホームグロウン選手の登録枠が定められています。
ホームグロウン制度とは
ホームグロウン制度とは、自国で育成した選手を一定人数トップチームに登録しなければならないルールのことで、自国育成選手の国外流出を防ぐために2010-11シーズンから導入されました。
ホームグロウン選手になるためには、
21歳の誕生日を迎えるまでに、3シーズンか36ヶ月以上、イングランドまたはウェールズのクラブでプレーしていなければならない(下部組織を含む)
という条件があります。
イングランドやウェールズ国籍以外の選手であっても、10代のうちからイングランドやウェールズのクラブに所属していればホームグロウン選手の対象になります。
外国籍の選手でもホームグロウン選手になれるということですね。
ホームグロウン制度のメリット
2000年代に入るとチェルシーやマンチェスターシティといったクラブのオーナーが変わり、豊富な資金力で各国のスター選手を次々に獲得するようになりました。
優秀で即戦力となる海外選手を獲得し続けることでプレミアリーグのレベルは格段に上がりましたが、イングランド出身の若手選手は試合に出場できない状態が続き、イングランドサッカーのレベル低下が懸念されていました。
若手選手にしたら面白くない状況ですよね。
そこで、若手選手のレベルアップを図るためにも、2011年よりホームグロウン制度が導入されたました。ホームグロウン制度がプレミアリーグにもたらすメリットは以下の通りです。
- 自国の有能な若手選手のキャリアを確保できる
- 自国選手の海外移籍を減らすことができる
- イングランド代表の強化に繋がる
ホームグロウン制度を導入したことで、自国の有能な若手選手が試合に出場できるチャンスが増え、そのチャンスをものにできれば市場価値が増加して待遇が良くなります。
プレー機会も増え待遇がよくなれば、出場機会を求めてわざわざ海外クラブへ移籍する必要がなくなりますし、これらの経験値は若手選手が成長する糧となりイングランド代表の強化にも繋がっていきます。
仮に今のクラブでの状況に満足していないとしても、各クラブに8名まで必要なホームグロウン選手の需要は高くなるので、国内の他クラブに移籍しやすくなるといったメリットもあります。
ホームグロウン制度のおかげもあって、アンダー世代のイングランド代表はレベルが高いです。
ホームグロウン制度のデメリット
ホームグロウン制度のデメリットとしては、
- ホームグロウン以外の選手の出場枠が減る
- ホームグロウン選手の市場価値が高騰する
といったことがあげられます。
元ドイツ代表でアーセナルで活躍していた「メスト・エジル」選手は2020-21シーズンでプレミアリーグの登録外選手となりましたが、ホームグロウン外の選手枠17名の中に入ることができなかったのが理由です。
エジル選手は出場機会を求めてトルコのフェネルバフチェに移籍しましたが、エジル選手のようなスター選手であっても、ホームグロウンの枠が余っていないと影響を受けることがあるということです。
不本意なかたちでクラブを去らなければいけなくなります。
ホームグロウン選手は各クラブ必ず8名は登録しなければならないので、優秀なホームグロウン選手の市場価値はどんどん高騰します。
ホームグロウンとして育成した選手を簡単に放出しなくなる一方、高額な移籍金が発生することもあるため、安易にクラブから移籍できないというデメリットもでてきます。
ホームグロウン選手がブランド化していますね。
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プレミアリーグの『労働許可証ルール』

ホームグロウン選手でない外国籍の選手は、プレミアリーグでプレーするためにイギリスの労働許可証(就労ビザ)を取得する必要があります。
労働許可証を取得する厳しい基準のために、クラブに登録できずに海外クラブへレンタル移籍する選手も少なくありません。
労働許可証の規定
労働許可証を取得するためには以下の3つの規定をクリアしなければなりません。
- FIFAランキングが50位以内の国の選手であること
- FIFAランキング30位以内の国の選手は過去2年間の自国フル代表としての公式戦出場率が30%以上であること(21歳未満は過去1年間)
- FIFAランキングや代表出場歴に関係なく、移籍金1000~1500万ポンド(約19億5000万~29億円)以上の市場価値のある選手であること
A代表にほとんど出場していない選手は労働許可証を取得できないことになりますね。
この3つの規定をクリアしていない選手は、イングランドサッカー協会のポイントシステムによって、以下の項目から合計15ポイントを獲得しなければプレミアリーグでプレーすることができません。
- A代表での国際試合出場数
- 所属クラブでのリーグ出場時間
- 所属クラブでの大陸選手権の出場時間
- 所属クラブでの最終リーグ順位
- 所属クラブの大陸選手権の順位
- 所属クラブが在籍しているリーグの質
ブライトンで活躍する前の三笘選手は、代表での出場割合が足りなかったので、ポイント不足でベルギーリーグのサンジロワーズへレンタル移籍となりました。
A代表や所属クラブでの実績が必要ということですね。
\三笘選手の試合を視聴する方法はコチラで紹介/

労働許可証のルール改定
2023-24シーズンより、労働許可証を取得するための基準が一部緩和されました。
- 労働許可証を取得できない選手は最大4名契約できる(クラブ毎に枠が違う)
- Jリーグのレベルがバンド6からバンド5に引き上げされた
世界中のリーグは6つのバンドに分けられ、レベルの高いリーグほど出場割合や成績に応じて得られるポイントが多くなる仕組みですが、日本のリーグが最下層だったバンド6からバンド5に引き上げられました。
これにより、Jリーグでプレーすることで得られるポイントなどが増加しているため、Jリーガーがプレミアリーグに参戦するのに追い風となっています。
プレミアリーグでプレーする日本人選手が増えるのに期待しましょう。
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プレミアリーグの外国人枠|まとめ
プレミアリーグに外国人枠はなく、以下のような登録制限のルールが設けられています。
ホームグロウン選手8名以外に17名の外国籍選手を登録できるので、世界各国のスター選手のプレーを見ることができるのは魅力的です。
しかし、外国籍選手はイギリスの労働許可証を発行するために難易度が高い規定をクリアする必要があるので、労働許可証を取得できなければ海外クラブにレンタル移籍に出されるケースも少なくありません。
一部ルールが緩和されたとはいえ、日本人選手があまり増えていないのも現状です。これからプレミアリーグで活躍する日本人選手が増えることにも期待してプレミアリーグを楽しみましょう。
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