プレミアリーグに在籍するクラブは、それぞれ独自の歴史や文化を持っており、その一つ一つがプレミアリーグを世界で最も魅力的なサッカーリーグにしています。
マンチェスター・ユナイテッドの「レッドデビルズ」のように、各クラブとそのサポーターには特別な愛称が存在します。
クラブの愛称の背景には、以下のようなものが表れています。
本記事では、プレミアリーグの各クラブとサポーターの愛称を紹介し、それぞれの愛称が生まれた背景と共に、サポーターとクラブとの深い絆を紐解いていきます。
プレミアリーグ各クラブとサポーターの愛称一覧

プレミアリーグに在籍するクラブには、それぞれユニークな愛称が存在します。
サポーターはこれらの愛称を通してクラブへの愛着を深め、毎シーズン選手にエールを送ります。
クラブの愛称は、様々な要素に基づいて呼ばれるようになりました。
クラブごとに独特の愛称があることは、プレミアリーグの多様性と豊かな文化を象徴しています。
ニューカッスル
ニューカッスル・ユナイテッドは、「マグパイズ(Magpies)」という愛称で知られています。
この名前は、クラブの象徴である白と黒のストライプが、同じく白と黒の羽を持つ鳥”カササギ”を連想させることに由来しています。

ニューカッスルの方言で「街」を意味する”トゥーン”から、サポーターは「トゥーン・アーミー(Toon Army)」と呼ばれます。
クラブの歴史は深く、地元のコミュニティと強い絆を持ちながら、2021年にサウジアラビアのPIFが後援するコンソーシアムによって買収され、新しい章を迎えました。
攻撃的なフットボールスタイルと地元への愛着からくる「マグパイズ」の愛称は、サポーターの情熱を象徴しているといえますね。
マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティは、「シティズンズ(The Citizens)」という愛称で親しまれ、サポーターも「シチズンズ」と呼ばれています。
この愛称は、マンチェスター市民のためのクラブであることを象徴しており、クラブが如何にマンチェスター市民と密接に関わっているかを物語っています。
マンCは、セント・マークス教会によって設立された歴史を持ち、現在はプレミアリーグの有力クラブの一つと成長しました。
ライバルであるユナイテッドと戦うマンチェスター・ダービーは、この街における熱烈なサッカー愛を象徴するイベントであり、シチズンズはいつも情熱的にクラブを支えています。
とも呼ばれています。
日本では「シティ」や「マンC」と呼ぶファンが多いですね。

マンチェスター・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッドは、「赤い悪魔(The Red Devils)」の愛称で知られ、サポーターは「デビルズ(Devils)」と呼ばれています。
この愛称は、1970年代にクラブの公式エンブレムに悪魔が追加されて以降、より広く使用されるようになりました。
「赤い悪魔」の愛称は、クラブの積極的で勇敢なフットボールスタイルを反映しており、マンチェスター・シティとの熾烈な戦いを繰り広げるマンチェスター・ダービーでは、この愛称が象徴するような熱い闘志が見られます。
ベルギー代表やコンゴ共和国代表も「赤い悪魔」と呼ばれますが、クラブカラーの赤色とエンブレムの悪魔から
赤い悪魔=マンチェスター・ユナイテッド
と連想されるサッカーファンが多いのではないでしょうか。
その他、クラブ名の略称から
と呼ばれます。
日本では「ユナイテッド」や「マンU」と呼ぶファンが多いですね。
エヴァートン
エヴァートンの愛称は、「トフィーズ(The Toffees)」で知られています。
エヴァートン地区で作られるキャンディのようなお菓子「エヴァートン・ミント(ミント・トフィー)」に由来しており、ホームスタジアムのグディソン・パークでファンに無料配布されていたことが起源とされています。
チームと地元コミュニティとの強い結びつきを象徴しており、地域に根ざしたクラブのアイデンティティを反映しています。
リバプール
リヴァプールは、ユニフォームの赤色から「レッズ(The Reds)」という愛称で広く親しまれています。
サポーターは「コップ(Kopites)」と自称し、ホームスタジアムであるアンフィールドの傾斜の強い「Kop」スタンドからこの名前が来ています。
サポーターは試合前や試合終了直前に「You’ll Never Walk Alone」を合唱し、これがリヴァプールサポーターの団結とクラブへの絶対的な支持を象徴する瞬間となっています。
試合前の大合唱はテレビ越しに見ても圧巻です。
\リバプールで「You’ll Never Walk Alone」が歌われる理由/

バーンリー
バーンリーは、「クレアレッツ(The Clarets)」という愛称で呼ばれ、クラブの象徴的な赤紫色、英語では「claret」と呼ばれる色からきています。
フットボールリーグの初期からその歴史を刻んできたバーンリーは、近隣に本拠地を構えるブラックバーン・ローヴァーズとの伝統的な対戦である「イーストランカシャー・ダービー」で熱い戦いを繰り広げます。
このダービー戦は、地元のサポーターにとって年間最大のイベントの一つであり、激しいライバル意識に加え、地域の誇りをかけた戦いとして知られています。
その他、
という愛称もあります。
ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ
ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ、通称「ウルブス(Wolves)」は、ウェスト・ミッドランズ州のウルヴァーハンプトンをホームタウンに持ち、狼をクラブの象徴としています。
この愛称は、ホームタウン名の「ウルヴァー」が狼を意味すること、そしてエンブレムにも狼が描かれていることから来ています。
1877年の創設以来、長い歴史を持つウルブスは、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンとの激しいライバル関係で知られています。
この対戦は「ブラック・カントリー・ダービー」と称され、地元ファンの間で非常に熱い戦いとして捉えられています。
ワンダーランズ(The Wanderers)とも呼ばれます。
アストン・ヴィラ
アストン・ヴィラは、クラブ名の略から「ヴィランズ(Villans)」という愛称で広く知られています。
アストン・ヴィラはバーミンガムを本拠地とし、同じくウェスト・ミッドランズに拠点を置く
との試合は、ダービーマッチとして注目されます。
地域の誇りともいえるこれらの対戦は、ファンにとっては年間を通じて待ち遠しいイベントの一つです。
直訳すると「悪者」を意味しますが、クラブにとっては非常に愛着のある呼び名です。
シェフィールド・ユナイテッド
シェフィールド・ユナイテッドは、「ブレイズ(The Blades)」という愛称で親しまれています。
ブレイズの愛称は、1889年に創設されたクラブの歴史や文化を象徴するものであり、シェフィールドの産業遺産である鋼鉄製造(ブレード製造)が由来とされています。
同じシェフィールドに本拠地を置くライバル、シェフィールド・ウェンズデイとの対戦は、「スティール・シティ・ダービー」として知られ、激しい情熱が交錯します。
アーセナル
アーセナルの愛称「ガナーズ(Gunners)」は、クラブがロンドン北部の軍需工場労働者によって設立された歴史に由来しています。
この工場は兵器や爆発物を製造していたため、クラブ名「Arsenal」が「兵器庫」を意味し、「ガナーズ」のニックネームがつけられました。
サポーターは「グーナー(Gooners)」と呼ばれ、クラブ愛称の「ガナーズ」が訛ったのが由来とも言われています。
サポーターたちの熱狂的な支持とクラブとの絆は、ホームゲーム試合前に演奏されるクラブのAnthem「The Angel (North London Forever)」にも表れています。
アーセナルのエンブレムに描かれた大砲も、その伝統を象徴しています。

チェルシー
チェルシーは、クラブカラーの青色から「ブルーズ(Blues)」という愛称で知られています。
2003年にロシア人実業家ロマン・アブラモヴィッチがオーナーになって以降、チェルシーはその豊富な資金力を背景にイングランド屈指の強豪クラブとなりました。
ライバルクラブのアーセナルは労働者階級の支持を集める一方で、対照的に、チェルシーは富裕層や政治家といった上流階級のサポーターが多いことで知られています。
この社会的背景は、ロンドンの高級住宅地にスタジアムが位置していることからもうかがえます。
クリスタル・パレス
クリスタル・パレスは、当初、ガラス職人を意味する「グレイザーズ(Glaziers)」という愛称で知られていました。
しかし、1970年代に当時の監督マルコム・アリソンのアイディアにより、「イーグルス(Eagles)」という愛称とエンブレムを取り入れました。
これは、ポルトガルの名門ベンフィカにちなんでおり、強さと高貴さを象徴する鷲(わし)が採用されたとのこと。
クラブのユニフォームは、以前はアストン・ヴィラにならってえんじ色でしたが、バルセロナの影響を受けて現在の赤と青のカラーリングに変更されました。
日本ではパレスと呼ぶファンが多いです。
トッテナム
トッテナム・ホットスパーの愛称「スパーズ(Spurs)」は、英語で「※拍車」という意味です。
クラブのエンブレムには闘争心を象徴する雄鶏が描かれており、「spur」は闘鶏に関連する言葉でもあります。
※拍車…乗馬靴のかかとに取り付ける金属製の馬具で、馬の腹部を刺激して前進気勢を促すもの
クラブ名の「ホットスパー」は、クラブが設立された地域を所有していたパーシー家の祖先、中世イングランドの騎士ヘンリー・パーシーのあだ名「ホットスパー」から取ったものとされています。
「ホットスパー」という言葉には”向こう見ずな人”という意味があり、彼の勇敢な姿勢がクラブの精神に反映されています。
トッテナムは多くのユダヤ人サポーターがおり、サポーターは反ユダヤ主義に対抗してユダヤ人も非ユダヤ人も自分達を「イーズ(Yids)」と称しています。
日本ではトッテナムと呼ぶファンが多いです。
ブレントフォード
ブレントフォードは、蜂という意味の「ビーズ(The Bees)」の愛称で親しまれています。
この愛称の正確な起源は明確ではありませんが、Brentfordの「B」から取った「Bs」という呼び方を地元の記者が間違って「Bees」と解釈したことに由来があると言われています。
1972年からクラブのエンブレムとマスコットには蜂が採用されていますし、対戦相手を恐れず団結して戦うブレントフォードの姿勢は、その愛称からも強く表現されています。
ウェストハム・ユナイテッド
ウェストハム・ユナイテッドは、「ハマーズ(Hammers)」や「アイアンズ(Irons)」という愛称で呼ばれます。
共にクラブ発祥の地、東ロンドンにあった造船会社「テムズ・アイアンワークス」が由来とされ、造船に携わる労働者たちがクラブを結成した歴史が、これらの愛称に反映されています。
ハンマーはクラブのエンブレムにも登場し、力強さや結束力の象徴としてファンに愛されています。
フラム
フラムは、「コテッジャーズ(The Cottagers)」という愛称で、ロンドン西部のフラム地区に位置するホームスタジアム「クレイヴン・コテージ」が由来となっています。
クレイヴン・コテージはクラブの歴史と伝統を象徴する場所で、家庭的な雰囲気やサポーターとの深い結びつきを示し、地元コミュニティへの愛着を表現しています。
日本では「フルハム」や「フルアム」と呼ぶファンが多いです。
ブライトン&ホーブ・アルビオン
ブライトン&ホーブ・アルビオンは、「シーガルズ(The Seagulls)」という愛称で親しまれています。
ホームタウンである海辺のリゾート地ブライトンとホーブの象徴であるカモメ(Seagulls)からインスピレーションを得ています。
クラブのエンブレムにもカモメが描かれており、カモメはブライトンを象徴する重要なシンボルとなっています。
カモメは、困難に立ち向かう勇気と自由を象徴するかのように、クラブとそのサポーターにとって大事な存在です。
現地では、ハトやカラスよりもカモメが多く飛び回っているそうです。
ルートン・タウン
ルートン・タウンは、「ハッターズ(Hatters)」という愛称で知られています。
背景には、ルートン地域がかつて麦わら帽子の生産で有名だった歴史があり、帽子職人という意味があります。
19世紀に麦わら帽子の製造業で栄えたルートンは、この産業に由来する独特の愛称を持つこととなりました。
クラブのエンブレムには麦わら帽子が描かれており、ルートン・タウンのルーツと地元産業への敬意が表れています。
ボーンマス
ボーンマスの愛称は「チェリーズ(Cherries)」で、ホームスタジアムが以前あった場所に、たくさんのサクランボの木があったことに由来しています。
サクランボは、昔からボーンマスと密接な関係があり、チームカラーの赤もサクランボの鮮やかな色を連想させます。
この愛称とカラーは、クラブが持つ明るく元気なイメージと見事にマッチしており、サポーターにも親しまれています。
ノッティンガム・フォレスト
ノッティンガム・フォレストは、「フォレスト(Forest)」や「The Reds」(赤軍)という愛称で呼ばれ、クラブの伝統的な赤いユニフォームが由来です。
この強烈な赤色は、勇気と情熱の象徴であり、ノッティンガム・フォレストが長年に渡って築き上げてきた歴史と栄光を象徴しています。
レスター・シティ
「フォクシーズ(The Foxes)」の愛称で知られるレスター・シティは、キツネ狩りが盛んだったレスターシャー州の地域性と結びついた愛称を持ちます。
キツネは、古くから様々な文化において、狡猾さ、機敏さ、知恵、そして神秘的な力を象徴する動物とされてきました。
このイメージをレスターのプレースタイルにマッチさせています。
チームのエンブレムにもキツネが描かれており、地域の伝統とクラブのイメージが見事に融合しています。
2015-2016シーズンには、プレミアリーグでの劇的な優勝を果たし、「フォクシーズ」の愛称がより一層世界に認知されることとなりました。
神秘的な力で優勝し、「ミラクルレスター」として語り継がれていますね。
イプスウィッチ・タウン
イプスウィッチ・タウンは、「トラクター・ボーイズ(The Tractor Boys)」の愛称で、地域との深い結びつきを表しています。
サフォーク州が農業で有名な地域であることから、トラクターは地域の象徴的な存在とされ、クラブと地域住民との一体感を生み出しています。
1960年代後半から1970年代初頭の成功を経て広まり、サポーターたちによってさまざまなチャントや歌とともに支持されてきたとされています。
力強さや安定性を象徴するトラクターのイメージは、クラブの堅実なプレースタイルやチームカラーとも一致し、イプスウィッチ・タウンのアイデンティティを形成しています。
サウサンプトン
サウサンプトンの愛称「セインツ(The Saints)」は、クラブの創設に関連する聖メアリー教会に由来します。
1885年に教会の青年会としてスタートしたこのクラブは、現在でもホームスタジアムを「セント・メリーズ・スタジアム」と名付けるなど、教会との関係を大切にしています。
「セインツ」という愛称は、クラブのルーツや地域の宗教的背景を反映しており、サポーターたちにとっては誇りと敬意の象徴となっています。
この愛称を通じて、クラブは長年にわたって地域との絆を深め、伝統を持ち続けています。

プレミアリーグ各クラブとサポーターの愛称|まとめ
プレミアリーグの各クラブやサポーターたちには個性的な愛称があり、これらはファンの間で親しみを込めて使われています。
各クラブの愛称は、
などが由来となっていることがわかります。
プレミアリーグの愛称を知ることで、各クラブの歴史や個性をより深く感じることができるかもしれませんね。
クラブ名 | クラブの愛称 | サポーターの愛称 |
---|---|---|
ニューカッスル | マグパイズ (Magpies) | トゥーン・アーミー (Toon army) |
マンチェスター・シティ | シティズンズ (Citizens) マンシティ (City) スカイブルーズ (The Sky Blues) | シチズンズ (Citizens) |
マンチェスター・ユナイテッド | 赤い悪魔 (The Red Devils) マン・ユナイテッド マンU | デビルズ (Devils) |
エヴァートン | トフィーズ (The Toffees) | ー |
リヴァプール | レッズ (The Reds) | コップ (Kopites) |
バーンリー | クレアレッツ (The Clarets) ロングサイダーズ (Longsiders) プライド・オブ・ランカシャー (The Pride Of Lancashire) | ー |
ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ | ウルブス (Wolves) ワンダーランズ (The Wanderers) | ー |
アストン・ヴィラ | ヴィランズ (Villans) | ー |
シェフィールド・ユナイテッド | ブレイズ (The Blades) | ー |
アーセナル | ガナーズ (Gunners) | グーナー (Gooner) |
チェルシー | ブルーズ (The Blues) | ー |
クリスタル・パレス | イーグルス (Eagles) グレイザーズ (Glaziers) | ー |
トッテナム | スパーズ (Spurs) | イーズ (Yids) |
ブレントフォード | ビーズ (The Bees) | ー |
ウェストハム・ユナイテッド | ハマーズ (Hammers) アイアンズ (Irons) | ー |
フラム | コテイジャーズ (The Cottagers) | ー |
ブライトン&ホーブ・アルビオン | シーガルズ (The Seagulls) アルビオン ( The Albion) | ー |
ルートン・タウン | ハッターズ(Hatters) | ー |
ボーンマス | チェリーズ(Cherries) | ー |
ノッティンガム・フォレスト | フォレスト (Forest) レッズ (The Reds) | ー |
レスター・シティ | フォクシーズ (The Foxes) | ー |
イプスウィッチ・タウン | トラクター・ボーイズ (The Tractor Boys) | ー |
サウサンプトン | セインツ (The Saints) | ー |
プレミアリーグのライブ配信では、実況者や解説者がこれらの愛称を口にすることがあるので、試合を視聴する際には愛称を耳にする機会が多いはずです。
各クラブの愛称に注目しながら、プレミアリーグの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
