プレミアリーグと聞くと、熱狂的なサポーターと華やかなスタジアム、世界屈指のプレーヤーたちが繰り広げる緊迫の試合が思い浮かびます。
長年の間、強豪チームとしてプレミアリーグのトップに君臨してきた「ビッグ４」と称されるクラブは、多くの脚光を浴び、イングランドサッカー界をリードしてきました。
これらのクラブは、一体どのようにしてその地位を確立し、どのような特徴を持っているのでしょうか？
本記事では、プレミアリーグのビッグ4と呼ばれるクラブがどのようにしてその地位を確立したのか、どのような個性を持つのかについて詳しく解説していきます。
プレミアリーグの「ビッグ４」とは？
プレミアリーグにおける「ビッグ４」という概念は、以下の要素を兼ね備えたビッグクラブのことを指します。
「ビッグ４」と称されるクラブは、国内外の大会で優れた成績を収め、欧州サッカー界をリードしてきました。
ビッグ４の誕生と発展
1992年にプレミアリーグが設立されると、ファーガソン監督率いる「マンチェスター・ユナイテッド」が長らくプレミアリーグを牽引してきました。
2000年代に入ると、4クラブが毎年のように優勝争いに参加するようになり、「ビッグ４」と呼ばれるようになりました。
ビッグ４とは、以下の４つのクラブのことを指します。
これらのクラブは、国内の大会で好成績を収めたのはもちろんのこと、チャンピオンズリーグでも度重なる成功を収め、強力な経営戦略とスカウティングシステムを持つことで知られています。
特に、アレックス・ファーガソン監督のもとで黄金期を築いたマンチェスター・ユナイテッドは、リーグ13回の歴代最多優勝を誇り、その影響力は絶大です。
欧州トップクラスのパフォーマンスを継続しています。
プレミアリーグのビッグ４｜クラブの特徴
プレミアリーグに所属するクラブは全部で20クラブありますが、そのうち昔から優勝争いを繰り広げている以下の４クラブが「ビッグ４」と呼ばれています。
これらのクラブは、それぞれ独自の歴史と特徴を持ち、世界中の多くのファンに愛されています。
マンチェスター・ユナイテッド
| 本拠地 | マンチェスター（イングランド北西部） |
| 創立 | 1878年 |
| ホームスタジアム | オールド・トラフォード |
| 成績 （プレミアリーグ創設後） | リーグ優勝13回 |
| 愛称 | レッド・デビルズ （Red Devils） |
マンチェスター・ユナイテッドは、イングランド北西部に位置するマンチェスターを本拠地とするクラブです。
攻撃的なスタイルと豊富な人材でプレミアリーグに君臨し、世界各中で支持される人気クラブです。
といった選手が所属した過去もあり、アジアでもとても人気があります。
1985-86シーズン～2012-13シーズンまでクラブを率いた「サー・アレックス・ファーガソン」監督時代は、
- プレミアリーグ優勝13回
- UEFAチャンピオンズリーグ優勝２回
を含む20以上の主要タイトルを獲得しています。
1998-99シーズンには、「リーグ・FAカップ・CL」で優勝するトレブルを達成しています。
プレミアリーグで歴代最多となる優勝を果たしていますが、ファーガソン監督時代以降リーグ制覇を達成できていません。
「赤い悪魔(レッドデビルズ)」の愛称で親しまれています。
アカデミー出身の選手も多く、以下のようなスター選手を多く輩出しています。
カントナ、ベッカム、CR7などが伝統的な「7番」を背負ってきましたが、CR7以降「７番」を背負った選手は活躍できないといったことから〝悪魔の背番号〟とも呼ばれています。
ユナイテッドがリーグ制覇できるか、７番を背負った選手が活躍できるかどうかも今後注目していきたいところです。
ホームスタジアム「オールド・トラッフォード」は、威圧感と熱狂的なサポーターで知られています。
アーセナル
| 本拠地 | ロンドン |
| 創立 | 1886年 |
| ホームスタジアム | エミレーツ・スタジアム |
| 成績 （プレミアリーグ創設後） | リーグ優勝３回 |
| 愛称 | ガナーズ （Gunners） |
アーセナルはロンドン北部に本拠地を置くクラブで、エミレーツ・スタジアムをホームとし。砲手という意味の「Gunners(ガナーズ)」の愛称で呼ばれています。
名古屋グランパスでも指揮を取ったことのある「アーセン・ヴェンゲル」監督が、1995年から24年間の長期にわたって監督を務めました。
リーグ優勝３回のうち、2003-04シーズンには無敗優勝を達成し、以下のような各国トップレベルの選手が在籍していました。
攻撃的なスタイルと美しいパスサッカーで「インビンシブルズ(無敵のチーム)」と称賛されたこのチームは、リーグ史上最高のチームの1つであることは間違いないでしょう。
アーセン・ヴェンゲル監督の時代に象徴されるように、革新と規律を兼ね備えたスタイルで知られています。
といった日本人選手も多く在籍していたクラブで、日本人のファンが多いことも特徴です。
無敗優勝以降リーグ制覇ができておらず、ヴェンゲル監督が退任して以降は苦境から抜け出せないシーズンが続いています。
2022-23・2023-24シーズンは、マンチェスター・シティとの優勝争いに敗れ２位の成績で終えました。2024-25シーズンこそ、久しぶりのリーグ制覇が期待されます。
冨安選手の活躍にも期待ですね！
チェルシー
| 本拠地 | ロンドン |
| 創立 | 1905年 |
| ホームスタジアム | スタンフォード・ブリッジ |
| 成績 （プレミアリーグ創設後） | リーグ優勝５回 |
| 愛称 | ブルーズ （Blues） |
チェルシーはロンドン西部に位置するクラブで、スタンフォード・ブリッジを本拠地とし、ユニフォームの色から「Blues(ブルーズ)」の愛称で親しまれています。
チェルシーは、ロマン・アブラモビッチのクラブ買収以降、堅実な守備と効率的な攻撃を基盤に急成長を遂げました。
５回のリーグ優勝を誇り、今でこそビッグクラブとしての地位を確立しているチェルシーですが、はじめから強いクラブだったわけではありません。
2003年にロシア人の大富豪「アブラモヴィッチ」がチェルシーを買収してオーナーとなると、莫大な資金力を活かして次々とスター選手を獲得しビッグクラブへと成り上りました。
2004年にポルト時代にCL制覇経験のある「モウリーニョ」監督が就任すると、2004-05シーズンに29勝8分1敗、失点数はわずか15という驚異的な成績でリーグ戦を制覇しました。
翌年のシーズンもリーグを制覇し、その後も堅固な守備とカウンター基本とした戦術で、リーグ戦上位の常連となっています。
CLでも優勝してビッグクラブの地位を確立しましたね。
チェルシーは充実した下部組織も併せ持ち、以下のようなアカデミー出身選手も躍動しています。
チェルシーのアカデミー出身選手が他クラブへ渡って活躍しているケースも多く、莫大な資金力から無駄遣いも多いですが、若手の育成にも積極的に力を入れているメガクラブでもあります。
大型補強でやってくる選手以外にも、アカデミー出身の若手選手の活躍も注目ポイントです。
W杯にも出場したドイツ代表のムシアラ選手もチェルシーの下部組織です。
リヴァプール
| 本拠地 | リヴァプール |
| 創立 | 1892年 |
| ホームスタジアム | アンフィールド |
| 成績 （プレミアリーグ創設後） | リーグ優勝１回 |
| 愛称 | レッズ （Reds） |
リヴァプールはイングランド北西部の都市、マージーサイド州のリヴァプール市に本拠地を構えるクラブです。
アンフィールドをホームスタジアムとし、「Reds(レッズ)」の愛称で呼ばれます。
サポーターが試合開始前後に「You’ll Never Walk Alone」を歌うことで知られ、独特なスタジアムの雰囲気を創り出す伝統とファンベースの強さで知られています。
＼リバプールで「You’ll Never Walk Alone」が歌われる理由／
長らく低迷していたクラブにマインツやドルトムントで成功を収めたドイツ人指揮官「ユルゲン・クロップ」が2015年に就任すると、リヴァプールは黄金期を迎えます。
積極的なプレッシングと攻撃的なサッカーで知られ、チャンピオンズリーグを制覇するなど、その実績は輝かしいものがあります。
リーグ優勝を果たした2019−20シーズンには、
- サディオ・マネ
- ロベルト・フィルミーノ
- モハメド・サラー
の3人だけで57ゴールを記録したスリートップが印象的です。
クロップ監督は2019年と2020年に、FIFA最優秀監督に輝いています。
リヴァプールもまたアカデミーで多くの優秀な選手を育成してきた実績があります。
世界を代表する選手がリバプールのアカデミーから誕生し、多くの選手がトップレベルのプロサッカー選手として長いキャリアを積んできました。
特にアレクサンダー＝アーノルドは、アカデミーの宝石とも呼ばれ、「将来卒業するすべての選手が比較されることになる選手」と称されています。
これからのリヴァプールを背負って立つ最高の選手の１人になることは間違いないでしょう。
遠藤選手が加入し、ますます楽しみになりました。
ビッグ４の現在とプレミアリーグの勢力図
最近のプレミアリーグでは、長らくリーグを支配してきた「ビッグ４」は、華やかな成功を収めてきましたが、今、彼らの牙城を崩すクラブの登場が目覚ましいです。
プレミアリーグ全体の競争力が高まる中、クラブ間のダイナミックな勢力図が形作られつつあります。
ビッグ４からビッグ６へ
2000年代には圧倒的な支配力を誇っていたビッグ４ですが、2010年代に入ると、
の台頭により、「ビッグ６」と呼ばれるようになりました。
マンチェスター・シティは資金力を背景に世界中からスター選手と名将を獲得し、シームレスな成長を遂げています。
トッテナムも独自の戦略とチャンピオンズリーグでの活躍により、名実ともに競争に加わる一員となりました。
この２クラブによってプレミアリーグの順位争いはさらに熾烈さを増しています。
マンチェスター・シティは2020-21シーズンから圧倒的な強さで前代未聞のプレミアリーグ４連覇を成し遂げましたね。
リーグ内競争の激化（中小クラブの台頭）
ビッグ６が優勝争いを繰り広げる中、近年では、
といった中小クラブが台頭し、プレミアリーグの競争をさらに過激なものとしています。
ビッグ６の牙城が崩れた大きなきっかけは、2015-16シーズンのレスター・シティの驚異的な快進撃ともいえるでしょう。
- クラブの運営
- 若手の育成
- スカウティング
といった重要性が改めて認識され、これまでの中堅クラブが急成長を遂げ、多くの驚きをリーグにもたらしています。
テレビ放送権の収入増加や戦略的な経営方針によって、今後さらなるドラマが展開されることが期待されます。
ビッグ６が上位に食い込めないシーズンが増えてきました。
国際的な影響力
プレミアリーグは世界的な人気を誇り、その影響力は計り知れません。
各クラブが国際市場での存在感を増すことで、ブランド価値の向上と財務的な安定を実現しています。
などは、グローバルな展開となり、プレミアリーグ全体の知名度はますます上昇し、世界中のファンを魅了しています。
近年では日本人選手もプレミアリーグで活躍することが増え、ビッグ４以外の中堅クラブの存在も大きくピックアップされています。
国際舞台での成功が、クラブの未来を大きく左右する要素となる中で、ビッグ４の今後の戦略に大いに注目が集まっています。
プレミアリーグのクラブがプレシーズンツアーで来日することも増えました。
プレミアリーグのビッグ４とは？｜まとめ
プレミアリーグの「ビッグ４」とは、プレミアリーグで毎年のように優勝争いに食い込んでくる４つのビッグクラブのことを指します。
これらの４クラブの活躍も気になりますし、今後、ビッグ６に対抗できるクラブが出てくるのかも楽しみなポイントです。
近年では中堅クラブの台頭や新たな勢力の出現も見られ、プレミアリーグの勢力図に変化が生じています。
多様で予測不可能な展開が魅力であり、常に新しいドラマが生まれるプレミアリーグは、これからもサッカーファンを魅了し続けることでしょう。
観る人々に驚きと興奮を提供し続けるプレミアリーグに今後も注目していきましょう。
