イングランド・プレミアリーグは、世界中のサッカーファンにとって大変魅力的なサッカーリーグです。
その中でも特に注目されるのが、長年の間、強豪としてプレミアリーグのトップに君臨してきた「ビッグ4」や「ビッグ6」と呼ばれるクラブです。
これらのクラブは、一体どのようにしてその地位を確立し、どのような特徴を持っているのでしょうか?
ビッグ6の次の座を狙うクラブも続々と現れているので面白いリーグです。
そこで本記事では、「ビッグ4」の誕生から「ビッグ6」への拡大、そして各クラブの特性や魅力について詳しく解説していきます。
プレミアリーグにおける勢力図が変わりつつある今、過去から現在にわたるこれらのクラブの変遷と未来を見据えた議論を通して、その魅力を存分に楽しんでください。
プレミアリーグの『ビッグ4・ビッグ6』とは?
プレミアリーグにおける「ビッグ4・ビッグ6」という概念は、
などを兼ね備えたビッグクラブのことを指します。
これらのクラブは国内外の大会で優れた成績を収め、欧州サッカー界をリードしてきました。
具体的には、初期の「ビッグ4」として名を馳せたクラブと、その後出現した2つのクラブが加わり「ビッグ6」と呼ばれるようになりました。
ビッグ4の誕生と発展
1992年にプレミアリーグが設立されると、ファーガソン監督率いる「マンチェスター・ユナイテッド」が長らくプレミアリーグを牽引してきました。
2000年代に入ると、
以上の4クラブが毎年のように優勝争いに参加するようになり、『ビッグ4』と呼ばれるようになりました。
これらのクラブは、国内の大会で好成績を収めたのはもちろんのこと、チャンピオンズリーグでも度重なる成功を収め、強力な経営戦略とスカウティングシステムを持つことで知られています。
特にマンチェスター・ユナイテッドはリーグ13回の歴代最多優勝を誇り、その影響力は絶大です。
欧州トップクラスのパフォーマンスを継続しています。
ビッグ6への拡大とその意味
『ビッグ4』の概念は、2010年代に入ると更に進化します。
新たに、
といった2クラブが優勝争いに食い込んでくるようになり、『ビッグ6』と呼ばれるようになり、この拡大によってリーグ競争はより激化しました。
マンチェスター・シティは財政的な援助と戦略的な投資を通じて急成長し、トッテナム・ホットスパーも戦術的進化や新スタジアムの建設などを経てビッグクラブへと成長しました。
この結果、リーグ内の競争は一層激化し、ビッグクラブ同士の対戦は見逃せない一大イベントとなっています。
この拡大はリーグ全体の競争力を高め、世界中のファンにとっても魅力的な展開を提供しています。
ビッグ6の試合は、毎シーズン注目の的になります。
競争の激化とライバル関係
ビッグ6の出現により、プレミアリーグの競争は一段と激化しました。
各クラブがリーグ優勝やチャンピオンズリーグ出場権を巡って熾烈な争いを繰り広げています。
また、ビッグ6以外のクラブも上位進出を狙い、
などに力を入れているため、シーズンごとに各クラブの勢力図が大きく変わることも珍しくありません。
クラブ間のライバル関係はプレミアリーグのスリルと魅力を高め、世界中のファンを引きつける大きな要素となっています。
それぞれのクラブが持つ独自の歴史やカルチャーは、試合をより一層盛り上げ、白熱した戦いを生み出しています。
中堅クラブの躍進も見ごたえがあります。
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プレミアリーグのビッグ4|クラブの特徴
プレミアリーグに所属するクラブは全部で20クラブありますが、そのうち昔から優勝争いを繰り広げている
といった4クラブが『ビッグ4』と呼ばれています。
これらのクラブは、それぞれ独自の歴史と特徴を持ち、世界中の多くのファンに愛されています。
まずは『ビッグ4』と呼ばれる4つのクラブの特徴を紹介します。
マンチェスター・ユナイテッド
本拠地 | マンチェスター(イングランド北西部) |
創立 | 1878年 |
ホームスタジアム | オールド・トラフォード |
成績 (プレミアリーグ創設後) | リーグ優勝13回 |
愛称 | レッド・デビルズ (Red Devils) |
マンチェスター・ユナイテッドは、イングランド北西部に位置するマンチェスターを本拠地とするクラブで、
といった選手が所属した過去もあり、アジアでもとても人気のあるクラブです。
1985-86シーズン~2012-13シーズンまでクラブを率いた「サー・アレックス・ファーガソン」監督時代は、
を含む20以上の主要タイトルを獲得しています。
プレミアリーグで歴代最多となる優勝を果たしていますが、ファーガソン監督時代以降リーグ制覇を達成できていません。
「赤い悪魔(レッドデビルズ)」の愛称で親しまれています。
アカデミー出身の選手も多く、
といったスター選手も多く輩出しています。
カントナ、ベッカム、CR7などが伝統的な「7番」を背負ってきましたが、CR7以降「7番」を背負った選手は活躍できないといったことから〝悪魔の背番号〟とも呼ばれています。
ユナイテッドがリーグ制覇できるか、7番を背負った選手が活躍できるかどうかも今後注目していきたいところです。
ホームスタジアム「オールド・トラッフォード」は、威圧感と熱狂的なサポーターで知られています。
アーセナル
本拠地 | ロンドン |
創立 | 1886年 |
ホームスタジアム | エミレーツ・スタジアム |
成績 (プレミアリーグ創設後) | リーグ優勝3回 |
愛称 | ガナーズ (Gunners) |
アーセナルはロンドン北部に本拠地を置くクラブで、エミレーツ・スタジアムをホームとし。砲手という意味の「Gunners(ガナーズ)」の愛称で呼ばれています。
名古屋グランパスでも指揮を取ったことのある「アーセン・ヴェンゲル」監督が、1995年から24年間の長期にわたって監督を務めました。
リーグ優勝3回のうち2003-04シーズンには〝無敗優勝〟を達成し、
などといった各国のトップレベルの選手が在籍していました。
攻撃的なスタイルと美しいパスワークで「インビンシブルズ(無敵のチーム)」と称賛されたこのチームは、リーグ史上最高のチームの1つであることは間違いないでしょう。
今見ても興奮するメンバーです。
といった日本人選手も多く在籍していたクラブで、日本人のファンが多いことも特徴です。
無敗優勝以降リーグ制覇ができておらず、ヴェンゲル監督が退任して以降は苦境から抜け出せないシーズンが続いています。
2022-23・2023-24シーズンは、マンチェスター・シティとの優勝争いに敗れ2位の成績で終えました。
2024-25シーズンこそ、久しぶりのリーグ制覇が期待されます。
冨安選手の活躍にも期待ですね!
チェルシー
本拠地 | ロンドン |
創立 | 1905年 |
ホームスタジアム | スタンフォード・ブリッジ |
成績 (プレミアリーグ創設後) | リーグ優勝5回 |
愛称 | ブルーズ (Blues) |
チェルシーはロンドン西部に位置するクラブで、スタンフォード・ブリッジを本拠地とし、ユニフォームの色から「Blues(ブルーズ)」の愛称で親しまれています。
5回のリーグ優勝を誇り、今でこそビッグクラブとしての地位を確立しているチェルシーですが、はじめから強いクラブだったわけではありません。
2003年にロシア人の大富豪「アブラモヴィッチ」がチェルシーを買収してオーナーとなると、莫大な資金力を活かして次々とスター選手を獲得しビッグクラブへと成り上りました。
2004年にポルト時代にCL制覇経験のある「モウリーニョ」監督が就任すると、2004-05シーズンに29勝8分1敗、失点数はわずか15という驚異的な成績でリーグ戦を制覇しました。
翌年のシーズンもリーグを制覇し、その後も堅固な守備とカウンター基本とした戦術で、リーグ戦上位の常連となっています。
CLでも優勝しビッグクラブの地位を確立しましたね。
また、チェルシーは充実した下部組織も併せ持ち、
などといったアカデミー出身の選手も躍動しています。
チェルシーのアカデミー出身選手が他クラブへ渡って活躍しているケースも多く、莫大な資金力から無駄遣いも多いですが、若手の育成にも積極的に力を入れているメガクラブでもあります。
大型補強でやってくる選手以外にも、アカデミー出身の若手選手の活躍も注目ポイントです。
W杯にも出場したドイツ代表のムシアラ選手もチェルシーの下部組織です。
リヴァプール
本拠地 | リヴァプール |
創立 | 1892年 |
ホームスタジアム | アンフィールド |
成績 (プレミアリーグ創設後) | リーグ優勝1回 |
愛称 | レッズ (Reds) |
リヴァプールはイングランド北西部の都市、マージーサイド州のリヴァプール市に本拠地を構えるクラブです。
アンフィールドをホームスタジアムとし、「Reds(レッズ)」の愛称で呼ばれます。
本拠地のアンフィールドとは少し離れた地区に、メルウッドと呼ばれるトレーニング用のクラブハウスを持っています。
サポーターが試合開始前後に「You’ll Never Walk Alone」を歌うことで知られ、独特なスタジアムの雰囲気を創り出すことで知られています。
長らく低迷していたクラブにマインツやドルトムントで成功を収めたドイツ人指揮官「ユルゲン・クロップ」が2015年に就任すると、リヴァプールは黄金期を迎えます。
積極的なプレッシングと攻撃的なサッカーで知られ、チャンピオンズリーグを制覇するなど、その実績は輝かしいものがあります。
クロップ監督は2019年と2020年に、FIFA最優秀監督に輝いています。
リヴァプールといえば、リーグ優勝を果たした2019−20シーズンに、
の3人だけで57ゴールを記録したスリートップが印象的です。
リヴァプールもまたアカデミーで多くの優秀な選手を育成してきた実績があります。
など、世界を代表する選手がリバプールのアカデミーから誕生し、多くの選手がトップレベルのプロサッカー選手として長いキャリアを積んできました。
特にアレクサンダー=アーノルドは、アカデミーの宝石とも呼ばれ、「将来卒業するすべての選手が比較されることになる選手」と称されています。
これからのリヴァプールを背負って立つ最高の選手の1人になることは間違いないでしょう。
遠藤選手が加入し、ますます楽しみになりました。
プレミアリーグのビッグ6|クラブの特徴
2010年ころまでは「ビッグ4」と呼ばれるクラブが長らく上位に君臨していました。
2010年代に入るとリーグ上位のバランスが崩れ、
の2クラブが新たに台頭し、「ビッグ6 」と呼ばれるようになりました。
マンチェスター・シティ
本拠地 | マンチェスター(イングランド北西部) |
創立 | 1880年 |
ホームスタジアム | エティハド・スタジアム |
成績 (プレミアリーグ創設後) | リーグ優勝7回 |
愛称 | シティズンズ (Citizens) |
マンチェスター・シティは、ユナイテッドと同じくイングランド北西部に位置するマンチェスターを本拠地とするクラブで、「シティズンズ」の愛称で親しまれています。
エティハド・スタジアムを本拠地とし、スタジアムには毎試合多くのファンが訪れ、その熱狂ぶりは他のクラブにも劣らないものがあります。
シティがメガクラブとなった背景には、2008年にUAEのアブダビグループがクラブを買収して資金力が増強したことにあります。
それによって優秀な監督や選手を獲得できるようになり、あっという間にメガクラブへと成長しました。
2011-12シーズンにプレミアリーグ創設後初優勝を果たすと、
という結果を残し、世界屈指の強豪クラブとして地位を確立しました。
2020シーズンから4連覇という偉業を達成しました。
マンチェスター・シティもまた、下部組織の育成に莫大な資金を費やして近年着実に力を付けています。
特にイングランド代表でも欠かせない選手となったフォーデンは、マンチェスター・シティの下部組織が生み出した最大のスター選手の一人です。
ペップ・グアルディオラ監督の就任後、ポゼッションベースに斬新な戦術を加え、攻撃的なスタイルで他を寄せ付けないサッカーを展開しています。
世界各国のスター選手を抱え、深い層のあるチーム編成によって、国内外で数多くのタイトルを獲得しています。
ハーランドなど若くて優秀な選手の獲得にも力を入れてますね。
トッテナム
本拠地 | ロンドン |
創立 | 1882年 |
ホームスタジアム | トッテナム・ホットスパー・スタジアム |
成績 (プレミアリーグ創設後) | リーグ優勝0回 |
愛称 | スパーズ (Spurs) |
トッテナムはロンドン北部を本拠地にするクラブで、同じ地域を本拠地としているアーセナルとはライバル関係にあります。
ホームスタジアムは2019年に完成されたばかりで、「Spurs(スパーズ)」の愛称で親しまれています。
中堅クラブだったトッテナムは、「安く買った若い選手を上手く育てて高く売る」といった中堅・下位クラブが生き残るのと同じ手段で経営を安定させてきました。
プレミアリーグ優勝はまだありませんが、毎シーズン優勝を争えるビッグクラブに成長しました。
やりくり上手の「レヴィ会長」が連れてきた原石を「ポチェッティーノ監督」が上手く育て上げ戦力化していました。
また、トッテナムは育成面でも成果を出し、「イングランド屈指の育成クラブ」とも評されています。
といった選手を若いころに発掘し、世界のトップレベルで戦えるまでに成長させました。
他のビッグクラブよりもコストを抑えながらも優勝争いに参加しているのは、トッテナムだけともいえるでしょう。
ベイルやモドリッチもトッテナムからビッグクラブへと移籍しましたね。
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プレミアリーグの勢力図は変わりつつある?
プレミアリーグの勢力図は近年、大きな変動を見せています。
かつては「ビッグ6」と呼ばれるトップクラブが長年支配してきましたが、その均衡が崩れ始めています。
特に2015-16シーズンのレスター・シティの奇跡の優勝は、その象徴的な出来事でした。
この出来事を皮切りに中堅クラブが台頭し始め、リーグ全体の競争が激化しています。
ビッグ6の牙城が崩れることになったきっかけ
ビッグ6の牙城が崩れた大きなきっかけは、2015-16シーズンのレスター・シティの驚異的な快進撃ともいえるでしょう。
ラニエリ監督のもと、ジェイミー・ヴァーディーを中心とする素早いカウンター攻撃が功を奏し、残留が目標だったクラブが2試合を残して優勝を決めてしまいました。
シーズン前のレスター優勝のオッズは5001倍であり、奇跡のような偉業を成し遂げたことから「ミラクル・レスター」と称され、多くのサッカーファンに強い印象を残しました。
当時の日本代表「岡崎慎司選手」の活躍も影響し、レスターの成功は単なる一時的なものではなく、他の中堅クラブにも大きな勇気を与えました。
当時のレスターの試合はワクワクがとまりませんでした。
中堅クラブの台頭
レスター・シティの成功は他の中堅クラブにも大きな影響を与えました。
例えば、
といったクラブは、巧みな補強やアカデミー出身の若手選手の台頭もあり、リーグ上位進出を果たしています。
2022-23シーズンでは、
するなど、目覚ましい活躍を見せています。
莫大な放映権の流入により中堅クラブが資金力を増し、「ビッグ6の牙城を崩す可能性があるのではないか?」といわれています。
中堅クラブの台頭によりプレミアリーグ全体の競争が一層激化し、今後もプレミアリーグの勢力図はさらに変わっていくことが予想されます。
ジャイアントキリングが多いのもプレミアリーグの特徴といえるでしょう。
プレミアリーグのビッグ4・ビッグ6とは?|まとめ
イングランド・プレミアリーグのビッグ6とは、プレミアリーグで毎年のように優勝争いに食い込んでくるビッグクラブ
の6クラブのことを指します。
これらの6クラブの活躍も気になりますし、今後、ビッグ6に対抗できるチームが出てくるのかも楽しみなポイントです。
近年では中堅クラブの台頭や新たな勢力の出現も見られ、プレミアリーグの勢力図に変化が生じています。
多様で予測不可能な展開が魅力であり、常に新しいドラマが生まれるプレミアリーグは、これからもサッカーファンを魅了し続けることでしょう。
観る人々に驚きと興奮を提供し続けるプレミアリーグに今後も注目していきましょう。