世界最高峰のサッカーリーグ、プレミアリーグ。華やかな歴史の中で、歴代優勝クラブは非常に少ないことをご存知でしたか?
「ビッグ6」と呼ばれる強豪クラブがある中で、なぜか優勝に縁がないチームもあります。
例えばトッテナムやエバートンといった名門クラブは優勝したことがあるのか、プレミアリーグの最多優勝クラブはどこなのか。こうした疑問が浮かんでくると思います。
この記事では、プレミアリーグ(1992年以降)の優勝経験がないチームに焦点を当て、その歴史や「ビッグ6」との関係性を詳しく解説していきます。
- プレミアリーグで優勝経験がある全7クラブ
- 「ビッグ6」で唯一優勝がないクラブ
- 名門クラブが「優勝なし」と扱われる理由
- 降格未経験かつ優勝未経験の2クラブ
プレミアリーグで優勝したことないチーム|優勝はわずか7クラブ

プレミアリーグで優勝経験があるのは、これまでに参加した全51クラブのうち、たった7クラブしかありません。
参加51クラブ中44クラブは優勝経験なし
この記事を書いている時点で、実に44ものクラブがプレミアリーグのタイトルを獲得したことがありません。
これはリーグの競争が激しいという側面もありますが、それ以上に「特定の勝者による独占」が起きていることを示しています。
プレミアリーグのトロフィーに触れることが、どれだけ困難なことかが分かりますね。
鍵は1992年のリーグ創設
プレミアリーグは、1992-93シーズンに新設されたリーグです。
それ以前は「フットボールリーグ・ファーストディビジョン」という名称のトップリーグでしたが、1992年に放映権などを理由に独立し、現在のプレミアリーグが発足しました。
このため、サッカーの歴史や記録を語る上で、この「1992年」が大きな分岐点となります。
1992年以前の優勝回数は含まない
ですから、多くのサッカーファンが「あれ?」と混乱するわけです。
例えば、
のような、100年以上の歴史を持つ名門クラブも、1992年以前の優勝記録は、プレミアリーグの優勝回数にはカウントされません。
「あの強豪クラブが、なぜ優勝クラブとして扱われないの?」という疑問の核心的な答えになります。
プレミアリーグの最多優勝クラブ

「優勝したことないチーム」の対極にいる、プレミアリーグの歴史を彩ってきた「7つの勝者」と、その中でも頂点に立つ最多優勝クラブを見ていきましょう。
プレミアリーグ 歴代優勝7クラブ一覧
1992-93シーズンから現在までにプレミアリーグを制覇したのは、以下の7クラブのみです。
| クラブ名 | 優勝回数 | 主な優勝シーズン |
|---|---|---|
| マンチェスター・ユナイテッド | 13回 | 1992-93, 2012-13 など |
| マンチェスター・シティ | 8回 | 2011-12, 2023-24 など |
| チェルシー | 5回 | 2004-05, 2016-17 など |
| アーセナル | 3回 | 1997-98, 2003-04(無敗優勝)など |
| リバプール | 2回 | 2019-20, 2024-25 |
| ブラックバーン・ローヴァーズ | 1回 | 1994-95 |
| レスター・シティ | 1回 | 2015-16 |
プレミアリーグ 最多優勝はマンU

「プレミアリーグ 歴代最多優勝」の記録を持つのは、マンチェスター・ユナイテッドです。
伝説的なサー・アレックス・ファーガソン監督が率いた時代に黄金期を築き、プレミアリーグ発足から2012-13シーズンまでに、圧倒的な13回という優勝記録を打ち立てました。
近年台頭するマンチェスター・シティ

一方で、最近のプレミアリーグを語る上で欠かせないのが、マンチェスター・シティの存在です。
豊富な資金力を背景に、2010年代以降だけで8回の優勝を積み重ね、ユナイテッドの記録に迫る勢いでプレミアリーグの「新たな盟主」としての地位を確立しています。
レスター・シティの奇跡的な優勝

この7クラブの中でも、2015-16シーズンのレスター・シティの優勝は、世界中のサッカーファンに衝撃を与えた「奇跡」として語り継がれています。
いわゆるビッグクラブではないチームが、とてつもない財政力を持つライバルたちを抑えて頂点に立つことが、どれだけ困難であるかを示す象徴的な出来事でした。
プレミアリーグで「優勝なし」名門クラブの謎

「エバートンやトッテナムも優勝したことないの?」という疑問。これは先ほど触れた、1992年の分岐点を理解するとスッキリします。
エバートンはなぜ優勝クラブではない?
エバートンは、イングランドのトップリーグで通算9回の優勝を誇る超名門クラブです。
しかし、その9回の優勝はすべてプレミアリーグ創設(1992年)以前の記録。そのため、プレミアリーグの優勝回数は「0回」としてカウントされます。
アストンヴィラも旧リーグ時代の強豪
アストン・ヴィラも同様です。
通算7回のリーグ優勝と、さらには欧州制覇(現在のチャンピオンズリーグの前身であるヨーロピアンカップ優勝)まで成し遂げた輝かしい歴史を持っていますが、これらもすべて1992年以前の記録です。
トッテナムの1部リーグ優勝記録
トッテナム・ホットスパーも、イングランド1部リーグ時代に2回の優勝経験があります(1950-51, 1960-61)。
しかし、これもプレミアリーグの記録には含まれません。この歴史的な経緯が、現代のファンにとって少しややこしく、混乱しやすい部分ですね。
プレミアリーグのビッグ6唯一の未勝利クラブ

現代のプレミアリーグの勢力図を示す「ビッグ6」と呼ばれるクラブグループの中で、唯一優勝経験がないクラブが存在します。
プレミアリーグの「ビッグ6」とは
「ビッグ6(The Big Six)」とは、一般的に以下の6クラブを指す非公式な呼称です。
財政力、世界的なファンベースの大きさ、そして近年の成績の安定感などから、他のクラブとは一線を画す存在とされています。
トッテナムはビッグ6で唯一優勝なし
この「ビッグ6」のリストと、先に紹介した「歴代優勝7クラブ」のリストを見比べると、すぐに分かります。
トッテナム・ホットスパーは、「ビッグ6」の中で唯一、プレミアリーグ(1992年以降)の優勝経験がないクラブなんです。
これが、「プレミアリーグ 優勝したことないチーム」と検索したときに、トッテナムの名前が頻繁に挙がる最大の理由です。
トッテナムのプレミアリーグ最高順位
もちろん、トッテナムが弱いわけでは決してありません。
常にトップ4(チャンピオンズリーグ出場権)を争う実力を持ち、プレミアリーグを盛り上げる中心的なクラブの一つです。
しかし、プレミアリーグでの最高成績は2016-17シーズンの2位(準優勝)。まさに「あと一歩」のところで、タイトルに手が届いていない歴史が続いています。
ニューカッスル、惜しかった準優勝
トッテナム以外で「優勝のない強豪」としてよく名前が挙がるのが、ニューカッスル・ユナイテッドです。
90年代、「エンターテイナーズ」と呼ばれた超攻撃的なサッカーでリーグを席巻し、1995-96シーズンと1996-97シーズンの2年連続で準優勝という、最も優勝に近づいた時期がありました。
最近では、豊富な資金力を背景に再び強豪の仲間入りを果たそうとしており、今後の動向が注目されます。
アストンヴィラは初代準優勝クラブ
そして、旧リーグ時代の名門アストン・ヴィラも、実はプレミアリーグ初年度(1992-93)に優勝を争い、準優勝しています。
マンチェスター・ユナイテッドの初代王者の座を最後まで脅かした、まさに「初代」プレミアリーグで最も惜しい思いをしたクラブの一つですね。
プレミアリーグで降格未経験と優勝ステータス

プレミアリーグの「エリート」具合を示す、もう一つの興味深いデータが「降格」です。
あれだけ激しい競争の中で、創設以来、一度も2部へ降格したことがないクラブは、非常に限られています。
プレミアリーグ 降格したことないチーム
1992年の創設から現在まで、一度も2部リーグに降格したことがないのは、以下の6クラブだけです。
このリスト、どこかで見ませんでしたか? そう、先に紹介した「ビッグ6」とほぼ同じ顔ぶれです。(マンチェスター・シティの代わりにエバートンが入っています)
近年最強のマンチェスター・シティですが、実はプレミアリーグ時代に2部リーグへの降格を経験しているんです。
降格なしで優勝なしは2クラブ
この「降格未経験6クラブ」のリストと、「歴代優勝クラブ」のリストをもう一度、比較してみてください。
特異なステータスを持つ2つのクラブが浮かび上がってきます。それが、エバートンとトッテナム・ホットスパーです。
この2クラブは、「プレミアリーグに毎シーズン在籍し続けながら(降格未経験)、一度も優勝を経験したことがない」という、非常に珍しい立場にあるクラブということになります。
まとめ|プレミアリーグで優勝したことないチームの挑戦
あらためて整理すると、プレミアリーグで優勝したことないチームは44クラブも存在します。
その中には、トッテナムやエバートンのような「降格未経験」のクラブもあれば、ニューカッスルやアストン・ヴィラのように「あと一歩」まで迫ったクラブもあります。
今後、このリストから「8番目」の勝者として名を刻むのはどのクラブなのか。
財政力を得たニューカッスルが90年代の夢を叶えるのか、それとも「ビッグ6」唯一の未勝利クラブであるトッテナムが悲願を達成するのか。
こうした背景を知って観戦すると、プレミアリーグのタイトル争いがさらに面白くなること間違いなしです。


